山口県周南市の連続殺人放火事件で、県警周南署捜査本部は26日、事情を知っているとみて行方を捜していた男(63)を現場近くの山中で発見した。事件発生から6日目で、捜査本部は同行を求め、事件への関与について、詳しく事情を聴く。
男は、殺害された5人のうちの1人の山本ミヤ子さん(79)の隣に住んでいた。同じ集落の周辺住民とトラブルを抱えていたとの情報があり、関連を調べる。
捜査本部によると、男は上下とも下着姿で、発見した捜査員に名前を聞かれて認めた。擦り傷がある程度で、健康状態に問題はなく、自力で歩ける。普段は人が出入りしない山道にいた。住民が避難している建物の北約1キロだった。
最初の事件は21日に発生。午後9時ごろ、約80メートル離れた民家2軒がほぼ同時に出火し、それぞれの住人だった山本さんと、貞森誠さん(71)、妻の喜代子さん(72)の遺体が見つかった。
翌22日正午ごろ、別の民家2軒で河村聡子さん(73)と石村文人さん(80)の遺体を発見。5人はいずれも頭部を複数回、同一とみられる鈍器のような凶器で殴られ、ほぼ即死状態だった。
捜査本部は25日夕に現場近くの山中で、男の携帯電話を発見。男性用のシャツなども見つかり、26日朝から周辺を集中的に捜索していた。
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今回のような事件の結末は「犯人の自殺」である。その復讐劇は「相手も生かさないが自分も生きない」という女性特有の全身全霊をもって行われるので、犯行は無理心中の様相を呈する場合が多い。今回の容疑者の場合、その動機がいまひとつ見えてこない。本人が普通とは言い難い状態にあったのか。本人が言うように部落民の嫌がらせなりを受けていたのか。そのことで警察がどのように対応したのかは報道されていない。容疑者を「異常者としたい」とする情報は流されるが、なぜ、そのような言動に至ったかの情報は一切ない。
彼の目的は「部落民皆殺し」だったのだろうか。そうだとしたら手際が悪い。
報道では15年前に川崎市に住んでいたという。そのときから容疑者を知る近所の人によれば「奇行な行動が目立った」という。他所に居て、心の病にでもなったのだろうか。だとすれば里帰りは「休養」であったはずだ。しかし、彼の故郷は10世帯余りのメガ小集団の部落・・・こうした地域では、疲れた心を癒す休息は得られないはずだ。常にコミットメントを要請される。そのことが今回の事件の引き金になったのではないだろうか。