イスラエルのシュタイニッツ戦略担当相は20日、パレスチナとの和平交渉の再開にあたって、イスラエルの刑務所にいるパレスチナ人収容者を一部釈放すると述べた。イスラエル放送のインタビューで語った。
イスラエルとパレスチナの直接和平交渉は2010年秋を最後に中断していたが、仲介のため中東を訪問していた米国のケリー国務長官が19日、再開に向けて双方が基本合意したと発表した。パレスチナ自治政府筋によると、ケリー氏は交渉再開の条件として、1993年のオスロ合意以前からイスラエルの刑務所に収容されているパレスチナ人100人を含む350人の釈放をパレスチナ側に提案したという。
シュタイニッツ氏は、交渉が始まった場合、パレスチナ側は9カ月間、国連などの国際機関で「国家」としての承認を求める動きを自制することでも合意したとも語った。一方、パレスチナ側が交渉再開の条件としてきた67年の第3次中東戦争前の境界に基づく国境画定交渉、占領地ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植活動の凍結については、前提条件としない方針を改めて強調した。
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの報道官は「交渉の再開は(イスラエルによる)占領を助長するだけだ」と批判する声明を発表した。