「取れる」条件が揃っていたのに、まさかの崖っぷちスタートだ。「スターマン・この星の恋」(フジ系、火曜22時〜)は初回視聴率10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。1ケタ寸前の数字に終わった。
広末涼子(32)にとって17年ぶりの連ドラ主演。「最後から二番目の恋」の脚本家・岡田恵和と、「池袋ウエストゲートパーク」の演出家・堤幸彦がタッグを組んだのだから、前評判は良かった。3人の息子を育てる肝っ玉シングルマザーを演じる広末のほかも話題性十分。年の差夫婦に扮するイケメンの福士蒼汰(20)と、パート先の同僚役の有村架純(20)は共にNHK朝ドラに出演中の“あまちゃん俳優”。「とんび」(TBS)で内野聖陽と父子を演じ、「おとしゃん」の名ぜりふで注目された子役・五十嵐陽向クンも三男役で出ている。しかも舞台は先日、世界遺産に登録された「富士山」の麓、富士河口湖町だ。
テレビ局関係者
前時間帯の松嶋菜々子(「救命病棟24時」)が17%超をマークし、本来なら棚ボタでいい数字が取れたはず。強力な競合番組もない時間帯。それでもガクッと落ちたのは、意思を持ってチャンネルを変えられたということ。『座長・広末』の引きの弱さが露呈しました。
コラムニスト・桧山珠美
あらゆる話題や流行にあやかったものの、女性はおろか男性も食指が動かなかったということでしょう。それぐらい2度のデキ婚という広末は拒絶されている。福士に一目惚れした広末が『許せ、母も女だ!』と言うせりふは、彼女のこれまでの恋愛遍歴を意識したものだと思うのですが、演技派とは言い難い広末には荷が重い。うまく消化し切れず、せっかくの仕掛けも台なしです。私生活でも母親なのに、他局のドラマでシングルマザーを演じる子供がいない満島ひかりより母性がなく、前クールで年の差男を骨抜きにした篠原涼子ほど色気も感じない。とにかくナイナイ尽くしで突っ込みどころ満載。ほかの主演女優で見たかった……。
あとは何を足しますか。
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日本のテレビドラマ視聴者は”2度のデキ婚女優”は主演するドラマは拒絶するらしい。何という健全な結婚観・家庭観だろうか。あのアメリカの保守層カトリックでもデキ婚女優は拒絶されないだろう。拒絶されるとすれば中絶女優だろう。なので日本の保守層は”2度のデキ婚”に宗教的嫌悪を持っているということになるだろうか。
私は広末のドラマは見たかった。でも、あらゆる話題や流行にあやかったとされるドラマの前評判は良かったらしいが、予告編を見ても、出演者の番宣を見聞きしても興味がわかなかったので見ていない。