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航空専門家、失速で操縦ミス指摘 アシアナ機(ボーイング777)事故

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 米サンフランシスコ国際空港で起きたアシアナ航空機の着陸失敗。フライトレコーダー(飛行記録装置)の解析結果が明らかとなり、航空専門家からは、機体を異常に失速させ着陸やり直し(ゴーアラウンド)をできなかった操縦ミスを指摘する声が上がった。

 米運輸安全委員会(NTSB)によると、アシアナ機は着陸直前、目標速度を著しく下回っていた。元日航機長で航空評論家の小林宏之さんは「パイロットが進入角度を見誤ったため高度が異常に下がったのでは。高度を上げようと機首を上げた際、空気抵抗が高まって失速した可能性が高い」と分析する。

 パイロットは着陸失敗7秒前、速度を上げようとした。「7秒前にエンジン出力を上げたのでは遅すぎる。操縦室にいたパイロットのうち誰かが、もっと早く気づかなかったのか」と話す。

 この後、失速状態から1.5秒前にゴーアラウンドしようとしたが、滑走路手前の岸壁に後部をぶつけ、大きく損壊した。小林さんは「もっと早く修正操作をしていれば回避できたはずだ」と指摘する。

 一方、滑走路の中心より右側にずれて、岸壁にぶつかったことから「操縦ミスだけでなく、何らかの故障で機体が傾いた可能性も捨てきれない」と述べた。

 日本乗員組合連絡会議で安全問題を担当する元日航機長の高本孝一さんは、2008年に英ヒースロー空港でブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の777が着陸に失敗した事故に注目する。低温の高度上空を長く飛行したため燃料内の水分が氷結し、燃料供給システム内で詰まりを起こし失速したとの見方があるという。

「BAとアシアナでは使用するエンジンのメーカーが異なるものの、燃料供給システムの構造はほぼ同じ。アシアナは機体に問題はなかったとしているが、エンジンが操縦に正しく反応したのかも十分調査すべきだ」と話した。

 事故を起こしたボーイング777は日航が46機、全日空が54機を保有。長距離を飛べる大型機で、乗客の多い国内線や国際線で運航している。客席数は機体によって異なり、約200〜約500。


























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