8日午後3時50分ごろ、東京都北区志茂の荒川の中州で落雷があり、釣りをしていた男性3人が倒れているのが見つかった。警視庁赤羽署や東京消防庁によると、50代の1人が搬送先の病院で死亡し、50〜60代の2人もやけどなどを負った。3人とも焼け焦げた大木の下に倒れており、同署は雨宿り中に落雷を受け、感電したとみている。
同署などによると、中州は河川敷から水門を渡った先にあり、3人と70代の男性の計4人で釣りをしていた。午後3時半ごろから雨脚が強くなり、4人とも小屋に避難。その後、木の下に移り、70代の男性が小屋に戻ろうとした瞬間に雷が落ちたという。
70代の男性は「少し前から稲光が続き、『危ない』と思っていた。『バチッ』という音が聞こえた瞬間、腰に電流が走ったように感じた。振り返ると、3人が倒れていて、1人は意識が戻らなかった」と話した。
河川敷側で雨宿りをしていた別の男性(64)は「空が一瞬、真っ白になるほどの強烈な光だった。3人は軽装で、1人は『耳が痛い』と訴えていた」と振り返った。
現場はJR赤羽駅から北東に約1・4キロの埼玉県境。
埼玉県消防防災課などによると、8日午後5時10分ごろ、同県所沢市神米金(かめがね)の畑で農作業をしていた女性(53)が落雷に遭ったと119番通報があった。女性は病院に搬送されたが、意識不明の状態。午後4時50分ごろには、同県川島町で「落雷で人が倒れている」と通報があり、同町の畑にいた男性(69)を病院に搬送したが、心肺停止状態という。
一方、午後5時45分ごろ、落雷の音とともに同県川越市末広町の民家から出火、木造平屋1棟約38平方メートルが全焼した。県警川越署は落雷による出火の可能性もあるとみている。