高級ピアノメーカー「スタインウェイ・アンド・サンズ」を傘下に持つ総合楽器製造の米スタインウェイ・ミュージカル・インスツルメンツは1日、米投資ファンドのコールバーグ・アンド・カンパニーへの身売りを発表した。コールバーグは、スタインウェイ株1株当たり35ドル(約3500円)を現金で払う。総額は約4億3800万ドル。
手続きは9月末までの完了を目指す。その後は非上場企業となる。楽器業界は小売店の減少などが響き、売り上げを伸ばすのは難しい状況にある。非上場化には、株主からの圧力を避けて大胆な経営改革を目指す狙いがあるとみられる。
スタインウェイ・アンド・サンズは1853年にドイツ移民の家具職人がニューヨーク市で立ちあげた老舗のピアノ製造会社。ビリー・ジョエルやハリー・コニック・ジュニアら同社のピアノを愛用する有名ミュージシャンは多い。ピアノ以外にトランペットやサックス、スネアドラムなどの楽器ブランドを傘下に持つ。