反政府デモが続いているトルコの最大都市イスタンブールで、同国警察は15日夜、デモ隊が占拠するゲジ公園に突入、催涙弾や放水車を使って公園からデモ隊を強制排除した。
突入当時、公園周辺には数千人のデモ参加者が集まっていた。イスタンブールのムトゥル知事によると44人が負傷。重傷者は出ていないという。公園から追い出されたデモ隊と警官隊の激しい衝突がさらに続いている。
反政府デモの全国拡大から2週間以上が経過。トルコ情勢は懸念されてきた警官隊とデモ隊との全面衝突に発展し、重大局面を迎えた。
ロイター通信によると、左派系有力労組「トルコ公務員労働組合連盟」は強制排除を受け、17日のゼネスト実施を決めた。24万人規模が参加する見通し。
デモ隊の中心組織「タクシム団結」は同日、エルドアン首相の撤収要請を拒否するとの声明を発表。これを受け首相は首都アンカラで開いた支持者集会で「公園から退去しないのならば公権力を行使せざるを得ない」と述べ、実力によるデモ隊排除を警告していた。
首相率いる与党、公正発展党(AKP)は16日、イスタンブールで大規模集会を開く予定。
警官隊は11日夜から12日未明にかけても、公園に隣接するタクシム広場で群衆に催涙弾を発射するなどした。