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小笠原諸島、父島母島で確認されていた外来トカゲ兄島にも生息、自然遺産侵食 国が非常事態宣言

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 世界自然遺産の小笠原諸島(東京都)の無人島・兄島(あにじま)で、外来種のトカゲ「グリーンアノール」の侵入が初めて確認された。このトカゲは繁殖力が強く、島固有の昆虫を食い荒らし、世界遺産としての価値を傷付ける恐れがある。事態が悪化すれば「危機遺産」に指定されかねず、専門家でつくる国の科学委員会は、国内の自然遺産で初の「非常事態」を宣言。環境省などが緊急駆除対策に乗り出した。

 グリーンアノールは鮮やかな緑色で体長約15センチの北米産トカゲ。米軍占領下の1960年代に貨物に紛れ込んだか、ペットとして持ち込まれて野生化し、有人の父島と母島では数百万匹が生息すると推測される。90年代に小笠原にしか生息しない希少なチョウやトンボなどが姿を消した際の「主犯格」とみられる。両島で駆除が進められているが、根絶できていない。

 父島から約800メートル離れた兄島(面積約8平方キロ)では今年3月末、東京都などによる外来植物の駆除作業中に4匹見つかり、科学委員会が直後に非常事態を宣言した。その後の調査で、島南部に広がっていることが確認された。NPO法人「小笠原自然文化研究所」によると、生息数は万単位の可能性が高いという。

 兄島北部には、小笠原の乾燥した気候で独自に進化した背の低い原生林(乾性低木林)が広がり、遺産の中核として、世界的価値がある固有の生態系が高く評価された。

 アノールの侵入域が広がれば乾性低木林を支える昆虫類が減り、島全体の生態系に大きなダメージを与えかねない。

 事態が悪化すれば、国連教育科学文化機関(ユネスコ)から「危機にさらされている世界遺産」に指定される恐れさえある。国の科学委員会委員長の大河内勇・森林総合研究所理事(森林動物学)は「時間がない。人的資源を集中し、何にも優先して対策を行うべきだ」と訴える。

 小笠原が2011年6月に自然遺産に登録された際、「新たな外来種の侵入に対して継続的な注意が必要」と注文がついた。アノールの兄島への侵入経路は、流木などの自然現象とも観光など人の往来に伴うものとも考えられる。アノールを食べるクマネズミも外来種で、クマネズミの駆除を進めた結果、アノールが増えてしまったとの見方もある。

 一度侵入した外来種を根絶するのは容易ではなく、環境省は拡大を防ぐフェンスの設置や、ゴキブリ捕獲用の粘着シートなどの「わな」を仕掛けるなどして集中的に駆除に取り組む。























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