映画芸術科学アカデミー(A.M.P.A.S.)が、2012年の第85回アカデミー賞から電子投票制度を開始することを発表した。同制度についてはこれまでセキュリティー上の問題などを理由に導入が見送られていた。現行の郵送投票がどうなるのかについては発表内で言及されていないものの、今後電子投票が主流になるのは間違いない。
A.M.P.A.S.は現地時間1月25日に、電子投票制度について、エブリワン・カウンツ社と合意に至ったと発表。A.M.P.A.S.は18か月にわたって同社を調査し、その結果、同社がパートナーとして選ばれた。同社はアメリカ国防総省やイギリス法務省のセキュリティーシステムなどを手掛けており、業界最大手の一つに数えられている。
現行制度では、投票用紙の発送業務、ならびに集計を国際的監査会社プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が一手に引き受けていたが、今後はエブリワン・カウンツ社が電子投票システムを担当し、集計についてはこれまで通りPwCが担当することになる。
A.M.P.A.S.のチーフ・オペレーティング・オフィサー、リック・ロバートソンは、来年から電子投票が始まることを併せ、「これは、安全で便利な電子投票制度の確立に向けての大きな一歩だ」とコメントしている。
昨年にはニューヨーク・タイムズ紙がアカデミー賞の電子投票制度に関する記事を掲載した。同記事内では、同制度のメリットである投票と集計の簡易化が、開催時期の前倒しにつながることも示唆しており、同制度がどのようにアカデミー賞を変えるのか。映画ファンは目が離せない。
(2012年1月26日 シネマトゥデイ「アカデミー賞、ついに電子投票制度をスタートへ!来年の第85回から」より)