体操の世界選手権(9〜10月・ベルギー)代表第2次選考会を兼ねた個人総合の全日本選手権最終日は12日、東京・国立代々木競技場で決勝を行い、男子は既に代表に決まっているロンドン五輪金メダルの内村航平(コナミ)が予選との合計で182・350点をマークし、史上初の6連覇を達成した。内村はただ一人、2日連続で90点以上の高得点を出した。
加藤凌平(順大)が178・850点で2位、田中佑典(コナミ)が3位だった。
決勝の成績だけで争った女子は17歳の笹田夏実(東京・帝京高)が55・500点で初優勝し、3度の女王に輝いた母、弥生さん(旧姓加納)との親子全日本制覇となった。
体操の世界選手権(9月30日開幕、ベルギー・アントワープ)の第2次選考会を兼ねた個人総合の全日本選手権・最終日が12日、東京・国立代々木競技場で行われ、男子では初日にトップに立った内村航平(KONAMI)が6種目2日間総合182.350点で、史上初の6連覇を達成した。女子は笹田夏実(帝京高)が4種目の合計55.500点で初優勝を飾った。
2日間の合計で競う男子決勝は内村の独壇場だった。右肩と右足首のけがで約半年ぶりの実戦となり、「体力的に問題があった」と、ゆか、あん馬、跳馬の3種目で難度を下げた。それでも、最終日で行った6種目のうち5種目で15点超えを記録する貫禄の演技を披露。「五輪のメンバーと一緒に試合をするのは楽しかった。休んでいた期間は楽しくなかったので」と楽しみながらの2日間だった。
ただ、反省も忘れない。「結果よりも内容重視でしたので、ミスが出てしまったのはダメです。2日間を通じて、ミスなくできるように仕上げないと五輪では勝てない。良いスタートを切ったというわけではないですね」と、あくまでリオデジャネイロ五輪を見据え、体操の絶対王者が新たな道を歩み始めた。
内村航平
振り返る余裕がないくらいに疲れています。ただ、2日間を通じてミスが最低限の1つに抑えられたのは良かった。休んでいた分、体力的に問題あったので、(6月の)NHK杯までに修正したいです。体操は1日休むと戻すのに3日かかると言われます。戻っていると思いましたが、体は正直で、『戻っていませんよ』という感じでした。今日はそれを感じられたので、良かったです。
(ゆかの演技を終わっての笑顔は?)今日は試合前の練習から疲労感があり、『大丈夫かな』と思って。手を上げたら変わるかなと思ったら変わらず……。1節目のシリーズでの失敗はこれまでなかったのですが。普段やらないようなミスで『何をやっているんだ』という笑顔でした。
(試合に戻ってきての感想は?)五輪のメンバーと一緒に試合をするのは楽しかったです。ここで、こういう風に試合をするのが自分らしくていいなと思います。こう言うと、引退を決意していたように聞こえると思いますが、そうではなく、休んでいた期間は楽しくなかったので。試合をやらないと体操じゃないんだなと思いました。
(あん馬でのミスは?)しんどかったので、力でねじ伏せようとしたら、逆に力が抜けて落ちてしまいました。
(平行棒は完璧だったと思うが?)世界選手権でも五輪でも5種目目は気をつけてやるようにしています。5種目目を乗り切れれば、6種目を良い感じでできるので、気持ちを入れなおしてやりました。
(6連覇したことについては?)それだけの練習をしてきています。周りの選手よりもしっかりとした練習ができています。それに運もあると思います。
(リオデジャネイロ五輪への良いスタートになったか?)結果よりも内容重視でしたので、ミスが出てしまったのはダメです。2日間を通じて、ミスなくできるように仕上げないと五輪では勝てない。良いスタートを切ったというわけではないと思います。もう一度演技構成を見直して、一度(難度を)落としてもいいかなと。(五輪まで3年ありますし)ミスをなくしてから、(難度を)上げていって良いと思います」