2枚目のシングル「月光」が大ヒットして注目を浴びたのは2000年のことだ。実力派シンガーソングライターとして知られる鬼束ちひろも現在32歳となる。この10年間でテレビでの発言や私生活などが話題となった彼女だが、ここ数年は奇抜なメイクや衣装で「あの頃の鬼束ちひろと別人のようだ」とファンを驚かせている。
テレビ番組で彼女の姿を見ることは少なくなったが、シングルやアルバムもリリースしておりライブ活動も行っている。今年の3月11日には東京・中野サンプラザホールでツアー初日となるワンマンライブも開いた。その際に、彼女は思い出の曲として「さよなら人類」(たま)を歌ったが、照れ隠しなのか客席に向けて「笑ったら殺す」と口にしたという。
そんな鬼束が“アウトな人”として5月9日の『アウト×デラックス』に登場する。彼女の19枚目となるシングル「悪戯道化師(ピエロ)」が同番組のエンディングテーマに使われているのだ。その関係かとも思われるが、番組サイトの予告動画によると「1年がかりのオファー」とあるからずいぶん前から交渉していたようだ。
予告では「This is The 鬼束ちひろ」と紹介されており、彼女が派手なメイクと振り付けで歌を披露する。「Re make!」「This is a Pen!」など趣旨不明なワードも飛び出して“鬼束ちひろワールド”に矢部浩之、マツコ・デラックスもすっかり飲み込まれるようだ。
同番組にはこれまでにも強烈なキャラクターの“アウトな人”が登場したが、鬼束ちひろはどこまで突き抜けるか想像がつかない。これまでに例のないアウト振りを見せてくれそうだ。
エキセントリック【eccentric】
シングル「月光」を聞いた時はショックでした。その詩世界は「目立って、著しく型破り(エキセントリック)」という印象でした。どこか神とも悪魔ともいえる者に憑依されたかのような歌い方、恐れすら感じる表現…同時に、普通でない内面的世界を持った人なのだろうとも思いました。
その今まで、鬼塚の詩の中、彼女の内面的世界に辛うじて留まっていたものが、ある時期から一気に表に吹き出したようです。ですので「あの頃の鬼束ちひろと別人のようだ」とするファンの声もあるようですが、私は鬼塚自身は何も変わってはいないのではないかと思っています。
テレビで見せた、その風変わりで奇矯なさまは、視聴者からは「なんかキチガイみてえ」「テレビに出しちゃダメだろ」「酷いな」「昔好きだったのになあ」「雰囲気が変わりすぎて」「すごい世界に逝ったな」「笑えないタイプのやばいひとだな」などと映ったみたいです。
番組では新曲を歌っていましたが、全盛期ほど声が出なくなってる印象を受けました。ただサビでは音程も安定し、声も出ていたので、今の乱れた食生活(番組内でのトークを聞いていてそう思ったのですが…)などを改めれば、すぐに全盛期の頃に戻るのではないでしょうか。
デビューの頃から、鬼塚の歌は、どこか”神ないし神々との対話”のように聞こえていましたが、今の鬼塚の容姿は、まるで卑弥呼の頃の巫女を再現したイメージがあり、その意味では、歌の世界から、リアル”神ないし神々との対話”に移行していると言えるのかも知れません。あるいは鬼塚は日本人の心を映す鏡であるともいえるでしょう。と言うのも日本人の技術は「ガラパゴス」と揶揄されています。世界の規格からすれば、風変わりで奇矯であるのでしょう。無駄な機能も多いらしく、まるでごてごてしたデコレーションを一杯に張り付けた機械という印象も持たれているようです。そうした印象こそ視聴者が見た鬼塚であるだろうし、それは同時にガラパゴスを成り立たせている日本人の内面的世界でもあるように思えてきます。
意義素・用例 類語・縁語
人格・人物などがエキセントリック
変な ・ 偏屈な ・ 風変わりな ・ 変わっている ・ 規格はずれの ・ クセがある ・ アクが強い ・ 奇人 ・ 変人 ・ 変わり者
姿・振る舞いなどがエキセントリック
奇矯な ・ 突出した(行動) ・ 異様な(風体) ・ 独断と偏見による ・ 確信犯的な ・ 狂気の(様相) ・ 異形の(物語) ・ 「正気の沙汰ではない」
目立って、著しく型破りまたは普通でない
奇奇怪怪 ・ 突飛 ・ 奇抜 ・ 奇怪千万 ・ 異常 ・ 狂逸 ・ 怪奇 ・ 風変わり ・ 珍妙 ・ けったい ・ 一風変った ・ 変 ・ 一風変わった ・ 奇怪 ・ 奇矯 ・ 妙 ・ 奇異 ・ 風変り ・ 奇 ・ エクセントリック ・ 奇々怪々
・奇人、変人とは、性質や行動が普通の人とは違っている人のこと。変わり者。
ウィークスの文献に挙げられている奇人
ジョシュア・ノートン
レディー・マーガレット・ランボーン
ウィリアム・ベックフォード
ジョージ・セルウィン
ジョン・チャップマン
ジョニー・アップルシード
レディー・マーガレット・アン・ティレル
ジャック・ミトン
ウィリアム・ブレイク
ジョルジュ・サンド
エリック・サティ
メアリ・ベイカー・エディ
T・E・ロレンス
ヘンリー・フォード
ベアトリクス・ポッター
チャーリー・チャップリン
ジェイムズ・ジョイス
ドロシー・パーカー
ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン
アルベルト・アインシュタイン
アレックス・ステラ
エドワード・ジェイムズ
大塩平八郎
ボーラー