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災害時、食塩水で走る電動バイク…マグネシウム空気電池を搭載 スマートエネルギーWeek 2013

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日本のエネルギー問題ー電力 砂漠太陽熱を利用したマグネシウム燃料(耕作型社会...) 小濱泰昭AJER
「電気は貯められない」。現在のエネルギー政策は、この主張が大前提になっている。だが、東北大学未来科学技術共同セター教授の小濱泰昭氏は、この主張に真っ向から異議...>続きを読む


 古河電池は、開発中のマグネシウム空気電池を搭載した電動3輪バイクを『スマートエネルギーWeek 2013』に展示した。電動バイク搭載されたマグネシウム空気電池は、食塩水を入れると発電を開始することから、災害時の非常用電源としての使用を考えているという。

 このマグネシウム空気電池は、東北大学の小濱泰昭教授、産業技術総合研究所、古河電池、日本素材が共同研究で開発したもの。マグネシウム空気電池に関しては、マグネシウムに発火の危険があることから実用化が遅れていたが、難燃性のマグネシウムの採用などで実用化が実現した。

 実際の電池構造は、負極にマグネシウム電極、電解液に食塩水、正極は炭素粉を基本とした素材を採用し、マグネシウムと空気中の酸素から電気を取り出すことが出来る。充電の出来ない1次電池となるが、電解液を入れなければ長期保存も可能、発電をさせるためには食塩水を用意すればいいことから、災害時の非常用電源として使用することを考えている。

 会場では、マグネシウム空気電池を搭載した電動3輪バイク(トライク)で、福島県いわき市から宮城県仙台市まで走行したテストの様子などを流し、その性能をアピールしていた。


空気マグネシウム電池

 空気マグネシウム電池、マグネシウム・空気電池、またはマグネシウム燃料電池は空気電池および燃料電池の一種であり、負極に金属マグネシウムを使用し、正極に空気中の酸素を使用する。電解液としては食塩水が利用される。研究および市販化の技術はMagPower Systemsにより公開されており、90%の効率および-20〜55℃の環境下での動作が可能としている。国内では埼玉県産業技術総合センターの栗原英紀博士が活物質重量比90%以上の実容量での放電に成功している。負極の放電容量は2000Wh/kg。

◆実用化に向けた取り組み
 2012年12月11日、東北大学未来科学技術共同研究センター(小濱泰昭教授ら)と古河電池、産業技術総合研究所などのグループがマグネシウム電池搭載の3輪電気自動車(EV)の走行実験を福島県のいわき市−仙台市間、走行距離は約100キロで行い、平均時速50〜55キロで走行し完走した。ただ、このときの走行はリチウムイオン電池で行われており、マグネシウム電池はリチウムイオン電池を充電しただけであるとの一部報道もあるが事実は不明である。






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