女優、堀北真希(24)が今秋公開の映画「麦子さんと」(吉田恵輔監督)に主演する。亡き母の故郷を訪れた娘が、母の知らなかった一面に触れていく感動作で、兄役の松田龍平(29)と初共演。母の彩子を余貴美子さん、ほかに麻生祐未さんらが出演する。堀北は、アニメ好きなオタク系女子という一風変わった役柄に挑戦する。アニメキャラになりきってモノマネを披露するなど、新たな一面も見せる!!
昨年のNHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で、町医者として生きるひたむきなヒロインを演じて視聴者の涙を誘い、国民的女優となったホマキが、今度は映画で新たな感動を届ける。
「麦子さんと」は、麦子が亡くなった母親が青春時代を過ごした田舎町を訪れ、そこでの数日間を描く。自分と兄を置いて家を出て行った母・彩子は、突然自分たちのもとに戻ってきたものの、病気で亡くなってしまう。納骨のため訪れた母の故郷で、最低だと思っていた母が、その町のアイドルだったことを知る。彩子にそっくりな麦子の登場に色めき立つ町の人々との触れ合いを通して、麦子は母親に対してこれまでとは違う気持ちを抱くようになっていく……というストーリー。
脚本も務めた吉田監督は「本作は私が親不孝だったこともあり、母に対して素直に言えない思いを作品にしました。母が死んでから後悔しか残らず、喪失感もわいてこない。そんな麦子が喪失感を見つけるまでの物語です」とコメント。構想7年で映画化を実現した。
2008年の映画「純喫茶磯辺」や10年の「さんかく」など、人間の本質を巧みに描く作風に定評がある吉田監督。「(アイドルだった母そっくりの)麦子に町の人々が色めき立つ設定なので、麦子役には私自身、一番色めき立つ存在の堀北さんにお願いしました」と起用理由を説明する。
その麦子は、声優になることを夢見て、アニメ専門店でバイトをしているオタク系女子という異色の役どころでもある。劇中で堀北は、大人気アニメという設定の「今ドキッ同級生」の主人公、女子高生メグちゃんのモノマネなどをアニメ声で披露する。
マジメで清楚なイメージの強い堀北にとって新境地開拓となったが、先月23日から今月16日に山梨・都留市や都内近郊で行われた撮影では、大勢の見物客が集まる中、抜群の度胸でモノマネシーンを演じきった。
撮影を終えた堀北は、「麦子が、母との再会、そして永遠の別れを通して一歩大人になる、その過程の複雑な感情を思い描きながら演じました」と話し、「監督からドキュメンタリーみたいな自然なお芝居でと言われ、とても難しかったですが、大げさにならず、見ている方に感情移入してもらえるよう頑張りました」とコメントしている
性別を問わず幅広い層から支持を受けるホマキが、大ヒットとなった朝ドラ出演後初の主演作で見せる新たな一面に、注目が集まりそうだ。