アメリカ軍基地の負担軽減を目指している沖縄県は、東アジアの外交・安全保障の分析に当たる研究者を県職員として募集することになりました。地方自治体としては異例で、沖縄周辺の安全保障に影響を与える中国の動向が今後の取り組みに密接に関わってくるという考えがあるとみられます。
沖縄県はアメリカ軍基地の負担軽減を目指して、去年、アメリカの国防戦略などの情報収集や分析を行う研究員1人を県職員に採用し、今月からは体制強化のため、外交や安全保障政策のシンクタンクのような任務を担う「調査研究班」を立ち上げました。この「調査研究班」には、研究員を3人置く予定で、増員される2人のうち、1人はテロ対策など危機管理に詳しい研究者で、今月にも採用の予定です。そして、もう1人は中国の問題に通じている東アジアの外交・安全保障の分析に当たる研究者で、早ければ今月中にも募集を始めるということです。
地方自治体が、こうした研究者を職員として採用するのは異例で、背景には海洋進出の動きを拡大させ沖縄周辺の安全保障に大きな影響を与えている中国の動向が、基地の負担軽減に向けた取り組みに密接に関わってくるという考えがあるとみられます。
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安全保障に影響する情勢の情報収集や分析は防衛省や国が行うものである。その分析に基づいて軍事力の配備が検討される。それは国の専権事項である。すると基地の負担軽減に逆行する事態が生じる可能性もある。それを阻止するためには、国や防衛省がもつ情報や、その分析は間違っていると主張する機関が必要となる。そうした取り組みに欠かせない研究班を沖縄は創設するらしい。
調査研究班の実態は、かつての、原子力発電を推進するための原子力規制委員会と同じで、基地負担の軽減を推進するための県の委員会であるようだ。