東日本大震災で被災した沿岸部の土地の標準的な価格について、県は県不動産鑑定士協会に一括して委託し算定する方針を決めた。内陸・集団移転を計画する自治体が土地の買い取り価格を算定する際に役立ててもらい、用地取得を促進したい考えだ。
集団移転の際には、被災者は自分の土地を売却し住宅建設資金に充てることになるが、現状では土地の価格が分からないため、移転によってどの程度の自己負担が生じるか分からない被災者が多い。このため県は、被災後の土地の価格を不動産鑑定士に専門的に評価してもらう必要があると判断した。
算定を委託するのは、県の復旧・復興事業で用地取得が予定されている土地のうち約100カ所。今月から3月にかけて実施し、結果は沿岸15市町の鉄道や電力などの公共・公益事業者らによる「土地価格の情報連絡会議」で共有する。
(2012年1月22日 毎日新聞「東日本大震災:被災地の土地価格評価を一括委託 県、鑑定士協に /宮城」より)