宮崎あおいと向井理が夫婦役で初共演する、作家・西加奈子氏のロングセラー小説の映画化「きいろいゾウ」のプレミアイベントが1月29日、都内で行われ、宮崎と向井、濱田龍臣くん、本田望結ちゃん、廣木隆一監督が出席した。
出会ってすぐに結婚した宮崎演じる周囲の生き物の声が聞こえてしまうツマ(妻利愛子)と向井演じる背中に大きな鳥のタトゥーを入れた売れない小説家ムコ(武辜歩)が、互いに秘密を抱え傷つけ合いながらも、夫婦として生きていく意味を見出していく姿を繊細なタッチで描く。プロモーション期間ですっかり向井と打ち解けたという宮崎は、「最近(向井に)丸投げするという技を覚えた。だいたい助けてくれる」と頼りきり。すると向井が、「困るとずっとこっちを見て……良くないと思うよ」と本当の夫のようにたしなめ、劇中さながらの仲睦まじさをうかがわせた。そして、「結婚が決してゴールじゃなく、周りの人を巻き込んで夫婦という形のない関係を作っていく。結婚していない僕でも感じるものがあったし、勇気をもらった。男女世代問わずに何か感じてもらえると思う」と語りかけた。
幼少期のツマ役を演じた望結ちゃんは、「向井さんとのシーンなのに宮崎さんが最初から最後まで見守ってくださって、『良い人だな、優しいな』と思った。その時はそのままお別れだったけど、またプロモーションで一緒にごはん食べたりして、すごく仲良くなった!」とニッコリ。また、一同は久々に再会した龍臣くんの成長ぶりに驚きを隠せない様子で、廣木監督は「俺より背が高くなっている。すごいね」と、あ然としていた。
そして、本作の主題歌「氷の花」を担当する「ゴスペラーズ」も駆けつけ、生演奏を披露。同曲はツマをイメージして書き下ろされたオリジナル楽曲で、メンバーの安岡優は「これまで寄り添っていく歌が多かったけど、距離感を歌にできないかなと。今までのゴスペラーズにない世界観を作り込めるといいなと思った」。村上てつやは、「動物や植物の声が聞こえるファンタジーだけど、1分で物語に入り込めた。素晴らしい映画」と絶賛していた。
さらに、サプライズゲストとして映画「星になった少年」(05)のモデルとして一躍人気者となったゾウのランディーが登場。望結ちゃんは、「こんな近くで見るの初めて!」と驚きながら、ランディーに鼻で抱っこしてもらうと「すごい! ヤバイ! お父さんとかに抱っこされている感じですごくビックリ」と興奮しきり。向井もさらっと触って「ちくちくしているけど柔らかい」と感想を話した。宮崎らもランディーと直に触れ合い、数々の特技を披露するランディーに夢中だった。
「きいろいゾウ」は2月2日から全国で公開。