米軍は女性兵士を戦闘任務に就かせないと定めた方針を撤回し、戦闘任務や戦闘部隊にも女性を配属する方針を決めた。複数の当局者が23日にCNNに明らかにした。パネッタ国防長官が24日に正式発表する。
ただし24日から全面解禁に踏み切るわけではなく、まず評価段階として、各支部に現在女性が配属されていない任務や部隊の現状を調べた上で、配属のスケジュールを作成する。特に陸軍と海兵隊は、身体基準や性別を特定しない宿舎の状況について調べ、90日ごとに進捗状況を報告する。
国防高官は「年内に開放できる任務もあるだろうし、特殊部隊や歩兵部隊などはもっと時間がかかるかもしれない」と説明する。パネッタ長官は、2016年1月までに調査を完了し、女性兵の配属をできるだけ進める方針。しかし調査の結果、女性に開放すべきでないと判断した任務や部隊については、例外扱いを求める可能性もあるという。
女性の配属をめぐっては、人権団体の米自由人権協会が国防総省を相手取って訴訟を起こし、女性が戦闘任務から除外されているのは公平を欠き、時代遅れだと主張していた。原告団には名誉戦傷章を受章した女性も加わり、戦闘任務からの除外は昇進にとって不利になると訴えていた。
パネッタ米国防長官が、米軍の規定で禁止されている女性兵士の前線での戦闘任務を解禁する方針であることが分かった。国防総省高官が23日明らかにした。24日にも正式発表される見通し。
上院退役軍人問題委員会のパティ・マリー委員長は、「これは平等という観点に加え、今でもこれからも国を守る役割を女性が担っていることを認識する意味で歴史的なステップだ」とコメントした。また、上院軍事委員会のカール・レビン委員長は、「21世紀の軍事作戦の現実を反映したもの」として長官の方針を支持。女性兵士の戦闘任務解禁を求めて昨年11月に提訴していた米国自由人権協会(ACLU)も歓迎する意向を示した。
女性兵士の戦闘任務の禁止は1994年、小規模な前線の部隊への帯同を制限するために設けられた。過去11年でイラクやアフガニスタンに派遣された女性兵士は約30万人で、両国に派遣された米兵の約12%に当たる。