日本以外の国では日本のように成人年齢に達した事を全国一斉に祝うような祭典を行う国はほとんどない。成人となる年齢は各国で異なるが、成人年齢のデータがある187の国・地域のうち、141の国・地域で成人年齢が18歳(16歳・17歳も含む)である。(※世界各国の成年になる年齢については「世界における成人年齢一覧」を参照。)
世界でも珍しい、つまりガラパゴス・イニシエーションとして新成人を迎える人々の学歴は異なる。すでに進路の決まった人もいれば決まってない人とがいる。またすでに就業している人もいれば、学生の人もいる。そうした集団をひとまとめにして「今後の進路に不安を感じますか」と聞ける人はいるだろうか。
14日は成人の日です。
新成人の6割近くが「今後の進路に不安」を感じていて、4人に1人が「望む会社でなくても正規の仕事なら妥協する」と考えていることが、民間の情報サービス会社の調査で分かりました。
この調査は結婚情報サービス会社の「オーネット」がインターネットを通じて行い、全国の新成人800人が回答しました。
それによりますと、新成人の56.6%が「今後の進路に不安を感じている」と答えていました。
また、将来の自分の生活が親の世代と比べてどうなると思うかについては、「悪くなる」が47.6%、「変わらない」が33.9%、「よくなる」は18.5%にとどまりました。
仕事に対する考えでは、「会社で出世したい」という答えが25.5%で、前の年より8.1ポイントも減少し、「就職する会社は規模が大きいほうがいい」も4.2ポイント減って15.1%でした。
そして、24%、4人に1人が「望む会社でなくても正規の仕事なら妥協する」と答え、厳しい雇用情勢を反映して「就職することを重視し、高望みをしない」傾向がうかがえます。
若者の動向に詳しい中央大学の山田昌弘教授は、「若者はこの数年の間に『不安』慣れしており、上昇志向もなくなってきている。これはやる気がないからではなく、上の世代を冷静に見て、安定した暮らしを送るためには高望みせずに立ち回ったほうがうまくいくと思っているからではないか」と話しています。
成人を祝う儀礼は古くからあり、男子には元服・褌祝、女子には裳着・結髪などがあった。文化人類学や民俗学では、こうしたものを通過儀礼(イニシエーション)の一つとして扱う。
日本における今日の形態の成人式は、終戦間もない1946年11月22日、埼玉県北足立郡蕨町(現:蕨市)において実施された「青年祭」がルーツとなっている。敗戦により虚脱の状態にあった当時、次代を担う青年達に明るい希望を持たせ励ますため、当時の埼玉県蕨町青年団長高橋庄次郎が主唱者となり青年祭を企画、会場となった蕨第一国民学校(現:蕨市立蕨北小学校)の校庭にテントを張り、青年祭のプログラムとして行われた。この「成年式」が全国に広まり現在の成人式となった。蕨市では現在も「成年式」と呼ばれており、1979年の成人の日には市制施行20周年、成人の日制定30周年を記念して同市内の蕨城址公園に「成年式発祥の地」の記念碑が同市によって建立された。
蕨市の「青年祭」に影響を受けた国は、1948年に公布・施行された祝日法により、「おとなになったことを自覚し、みずから生きぬこうとする青年を祝いはげます」の趣旨のもと、翌年から1月15日を成人の日として制定した。それ以降、ほとんどの地方で成人式はこの日に行われるようになった。その後、1998年の祝日法改正(通称:ハッピーマンデー法)に伴って、2000年より成人の日は1月第2月曜日へ移動している。