報償費とは、官庁の勘定科目の1つ。役務、負担に対し償う費用。このうち支出の内容を明らかにする必要がなく、機密の用途に充てる費用予算に計上される経費は、機密費とも呼ばれる。
民主政権の官房機密費37億円 ”情報は公開に適さない”藤村官房長官私案引継ぐ
藤村修前官房長官は昨年12月に「支出相手方や支払い目的などは極めて秘匿性の高い情報で公開に適さない」との私案を公表。答弁書は私案について「必要に応じて参考にする」としている。
新聞記者なども支出相手方にされているようで、こうした餌づけも、言葉を換えれば「極めて秘匿性の高い情報で公開に適さない」とは言えるでしょう。問題は”秘匿性とは何か”の基準が明確に示されていないということかも知れません。
・宮崎哲弥 x 上杉隆 「官房機密費って何?」
報償費は官庁の勘定科目ですが、勘定=会計制度について衆議院議員石原慎太郎都は次のように批判しています。
・石原慎太郎都知事 緊急会見「都知事辞任、石原新党設立」2012.10.25
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【内閣官房報償費】
内閣官房報償費は、国政の運営上必要な場合、内閣官房長官の判断で支出される経費。内閣官房機密費とも呼ばれる。会計処理は内閣総務官が所掌(閣議決定などに基づく各本部等については当該事務局が分掌)する。支出には領収書が不要で、会計検査院による監査も免除されている。原則、使途が公開されることはない。1947年度から予算計上されるようになった。2002年度予算で前年を10%下回る14億6165万円になって以来、2009年現在まで同額が毎年計上されている。そのうち12億3021万円が内閣官房長官に一任され、残りは内閣情報調査室の費用にあてられている。
以前から「権力の潤滑油」などと呼ばれ、不透明な支出に疑惑の目を向けられていた。しかし、近年の外務省や都道府県警察本部の報償費が裏金としてプールされたり、横領されていたりした問題の発覚があった(警察不祥事)ため、会計検査院も管理が不十分と指摘された。政府は1998年には支出の基準(内規)を設けた。
官房長官が交代目前に多額の機密費を引き出していることが問題視されることもある。
民主党は野党時代、機密費流用防止法案を国会に提出するなど、機密費の公開を時の政権に求めていた。2009年に民主党が政権をとった後は、「オープンにしていくことは考えていない」として公開しない考えを示した。
【具体的な問題】
・宇野内閣の内閣官房長官であった塩川正十郎は、「外遊する国会議員に餞別として配られた」、「政府が国会対策の為、一部野党に配っていた」、「マスコミ懐柔の為に一部有名言論人に配られていた」など、内閣官房報償費の実態をテレビで暴露する(しかし、財務大臣に就任後は国会でこれらの暴露について追及されると「忘れた」ととぼけた)。
・宮沢内閣の内閣官房長官であった加藤紘一が与野党政治家主催のパーティー券購入や会食、背広の購入費、出身高校同窓会費に使った事、さらには官房長官による私的流用をしたと、日本共産党が官邸の内部文書を入手して明らかにした。なお、加藤当人は否定している。
・小渕内閣の内閣官房長官であった野中広務は2010年に読売新聞の取材に応じ、毎月計5千万円、最高で月計7千万円使ったと述べた。この証言は2009年9月に民主党への政権交代が起こり、使途を機密とする悪しき慣習の廃止を望んで行われた。使途は小渕恵三首相に月1千万円、自民党の国会対策委員長と参議院幹事長へそれぞれ月500万円。また、当時の議員の自宅建設費3千万円や野党議員の北朝鮮訪問に際して要求に応じたとも述べた。一方複数の政治評論家にも盆暮れ等数百万円単位で配られたとも証言しており、マスコミの中立性を疑わせるものとして問題になっている。
・第3次小泉改造内閣で内閣官房長官を務めた安倍晋三が支出した官房機密費の使途公開を要求する行政訴訟がおこされている。日本共産党の塩川鉄也議員は、2010年3月10日の衆議院予算委員会にて、安倍が内閣官房長官在任期間中に「会合」の名目で計504回の官房機密費支出をおこなっていたことが判明したと主張した。
・麻生内閣の内閣官房長官である河村建夫が、2009年8月の第45回衆議院議員総選挙で自民党が惨敗し下野が確定的になった翌9月、5度に分けて合計2億5千万円を引き出していた(民主党が内閣官房を引き継いだ際には金庫の中は空だった)ことが明らかになり[8]、大阪市の市民団体「公金の違法な使用をただす会」から10年2月に背任罪・詐欺罪で告発されている(2011年10月に不起訴処分)。また、この件に関しては、やはり、大阪市のオンブズマングループが国に対して使途の情報開示を求める訴訟を起こしている[9]。鳩山由紀夫内閣は、2010年2月19日、この問題を質す衆議院議員鈴木宗男の質問主意書に対し、“前政権の個別の件については答える立場にない”としつつも、「明らかに異様な支出」とする答弁書を閣議決定した[10]。
以上、報償費より