大阪の市立高校で、バスケットボール部の顧問の教師から体罰を受けていた男子生徒が自殺した問題で、顧問が大阪市教育委員会の調査に対し、「強い部にするためには体罰は必要で、それによって生徒をいい方向に向かわせるという実感があった」などと話していたことが分かりました。
大阪市立桜宮高校では、バスケットボール部のキャプテンだった2年生の男子生徒が先月23日、自宅で自殺し、その前日まで顧問の教師から体罰を受けていたことが明らかになっています。この問題で、顧問が大阪市教育委員会の調査に対し、みずからの体罰について、「強い部にするためには必要だと思う。体罰で気合いを入れた」と話していたことが分かりました。教育委員会側が、「体罰のない指導は無理だったか」と聞くと、顧問は「できたかもしれないが、体罰で生徒をいい方向に向かわせるという実感があった」と話したということです。
また、顧問は生徒が自殺する前日の練習試合の際に行った体罰については、「周囲の目があることはそのときは考えられなかった。右手と左手で交互にたたいた。最終的な方法だと思った」と話したということです。さらに、バスケットボール部の部員以外への体罰を、数年前に行ったことがあると話したということです。
一方、生徒が自殺する4日前に母親が顧問に対して、「息子がキャプテンになっていることで悩んでいる」などと直接相談していたということです。
大阪市教育委員会は11日午後、長谷川教育委員長や永井教育長らが遺族を訪れ、今回の問題について謝罪しました。これに対して、遺族は、「息子の死をきちんと受け止め、顧問には厳しい処分を求めたい」と話したということです。