スタジオ解説
東京・昭島市で局部を切り取った男性の遺体が見つかった事件で、通常であれば他殺の線が濃厚な事件だが、足に血液がついており、部屋を歩きまわった可能性があり、防御創や物色の形跡があないことから、警察は自殺の可能性も含めている。
東京都昭島市福島町のアパートできのう16日(2012年1月)、男性(49)の全裸死体が発見された。首や腹、胸に刺し傷があったほか、局所が切り取られていた。警察は他殺、自殺の両面から捜査しているという。
男性は運転手としてタクシー会社に勤務していたが、1週間前から連絡が取れなくなっていた。死後2日以上とみられ、新聞受けに2、3日分が溜まっていた。
近所の人によれば、男性は約4年前に引っ越してきたが、それ以来たびたび訪れてくる女性との言い争い、けんかが頻繁に目撃されている。同じアパートに住む女性は「夫婦げんかみたいな感じ。女性の声が大きかった。朝4時とか5時とか寝ている時間で、怒鳴り声で目が覚めた」と話している。別の男性は「物をしょっちゅう投げていたね。外に向かって家具を投げたり」という。アパートから離れた路上で2人が争うのを見た人もいる。「ものすごい剣幕で男性が女性を道路にうつぶせに押さえつける感じですね」
警察が自他殺両面の捜査をしていることについて、司会の小倉智昭がアナウンサーの笠井信輔に聞く。「非常に妙な事件で、通常であれば他殺の線が濃厚と思いがちですが」
笠井が部屋の間取りを示しながら説明する。
笠井信輔
扉は開いていて、男性はベッドに寝ていて、部屋中に血痕があり、隣の部屋に包丁があった。切り取られた局所はベッドの下。となると、他殺の可能性が高いといえる。しかし、他人と争ったさいの防御創がない、部屋を物色した形跡もない。そうなると、顔見知りの犯行という線もあるが、自殺にも当てはまる状況なので、他殺の線だけで捜査をするのはどうかということで自殺の可能性を含めているということのようです。ただ、自分で局所を切り取るとすれば、相当強い意志がないとできない自殺ではあります。なぜ警察が自殺も含めてと強調して発表しているのか、そこがポイントです。
竹田圭吾(国際ジャーナリスト)
全裸で自殺する必然性が感じられないが、自殺とすれば他殺に見せかけた自殺で、誰かに罪を着せようとしたとも考えられる。
中川翔子(タレント)
異常ですね、ふーん、おそろしいですね、これは。
(J-CASTテレビウォッチ「局所切断遺体なぜか自殺の可能性捜査―自分で切れるのか!?」より)
ドラマ『プライベート・プラクティス』で自分でペニスを切る話しがある。(1月11日(水) #2「危険な特効薬」)
その経緯は『性同一性障害で悩み、性別適合手術を希望しているジェーン。オペには精神科医の承認が必要なため、シャーロットの紹介でシェルダンの面接を受けることになった。ジェーンは自殺未遂をした過去があるにも関わらず、まったく辛いそぶりも見せず、シェルダンの質問に模範的な回答を重ねていきます。シェルダンは、むしろそんなジェーンの精神状態を懸念する。すぐにオペの承認を出さず、もう少しセラピーを続けたいと主張した。辛い経験にあえて向き合わない限り、かえってオペがマイナスになることもあると考えたからだ。ジェーンの望みを叶えてやりたいシャーロットはそんなシェルダンに反発する。そんな中、オペの許可がもらえずに失望したジェーンは、ついに自分でペニスを切り落としてしまいます。ジェーンの部屋に駆けつけたシャーロットとシェルダンは、彼女を救急車で病院へ搬送。一命をとりとめたジェーンは、「力になる」というシェルダンの言葉に涙し、彼とセラピーを続けていくことに決めた。』
昭島市で局部を切り取った男性が性同一性障害で悩んでいた様子はなさそうだ。『全裸で自殺する必然性が感じられないが、自殺とすれば他殺に見せかけた自殺で、誰かに罪を着せようとしたとも考えられる(竹田圭吾)」と見るのが自然かも知れない。他殺でペニスを切った事例としては映画「愛のコリーダ」でお馴染みの貞子がいる。近所の話しだと女性との喧嘩が絶えなかっただしいので、その女に罪をかぶせたかったかも知れない。もっともストレートに受け取れば女性が怨みんでやった他殺にも思える。
どちらも筋としては納得してしまうものなので、警察は慎重な捜査が必要になるだろう。