自民党の安倍晋三総裁(58)は26日午後の衆参両院の本会議で、第96代の首相に指名された。2006年9月から1年間、政権を担当した安倍氏は5年3カ月ぶりの再登板で、いったん退陣した首相の返り咲きは吉田茂氏以来となる。安倍氏は直ちに公明党と組閣本部をつくって新閣僚を発表。皇居での首相親任式、閣僚認証式を経て、夜に第2次安倍内閣が発足する。首相は午後9時半をメドに記者会見し、内政・外交の見解を明らかにする。
安倍氏はデフレ克服と日米同盟の再構築を最重要課題に掲げる。26日夜の初閣議では今年度補正予算の編成を指示する。来年度当初予算と合わせて切れ目のない財政出動をすることで景気浮揚を図る。大胆な金融緩和も打ち出す。
安倍政権は来夏の参院選勝利に向け、来年1月に召集される通常国会では予算成立と関連法案の成立に全力をあげ、ほかは必要最小限の法案にとどめる。焦点は4月に任期切れとなる日銀総裁の後任人事だ。
安倍氏は日程の調整がつけば来年1月にも訪米し、オバマ大統領との首脳会談で日米同盟の重要性を確認したい考え。外交面では台頭した中国への対応、米国が求める環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加問題が課題となる。