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グループ内派遣を直接雇用に、法改正対応‐独立系派遣会社に集約 法の抜け穴も

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 労働者派遣法の改正に伴う大手銀行グループの派遣事業の撤退が明らかになった。企業側が規制強化の流れに配慮した形だが、正社員の仕事を派遣で代替する動きに歯止めがかかり、派遣労働者の待遇改善につながるとの見方もされている。今後、派遣業界全体の再編も進むとみられ、労働市場への影響は必至だ。

三井住友フィナンシャルグループ担当者
 銀行の場合、派遣労働が雇用の調整弁として効率的な人材配置に役立っている。

 金融業界は、バブル崩壊後の不良債権問題で巨額の公的資金が注入され、人員計画には国が関与した。その結果、大幅な人員削減が行われ、窓口業務や事務などで労働力を確保するため、積極的にグループ内派遣を推進した。

 厚生労働省が平成20年3月に全国の大企業グループ傘下の259の派遣事業所を対象に実施した調査では、グループ内への派遣割合が8割を超えた事業所は68.3%に達した。人件費の削減につながるだけでなく、業務量に合わせて雇用者数を調整できるメリットもあり、グループ内派遣を利用する企業は多い。

 ただ、一部の企業では正社員として雇うべき人材を低賃金で不安定な派遣社員として働かせるなど労働条件切り下げの手段として使われており、改正派遣法で規制が強化された。

経済界
 雇用の縮小を招く。

厚労省需給調整事業課
 本来、派遣労働は臨時的、一時的な労働力を活用する手段で、特定の企業の働き手を補うものではない。働き手と企業のニーズを結びつける役割をきちんと果たしてもらう。

 一方、独立系派遣会社にとっては、規制強化は追い風だ。独立系大手の中には、派遣事業からの撤退を計画する大手企業に事業譲渡や買収を働き掛ける動きもみられる。

業界
 独立系に事業が集約され、再編が一気に進む。

派遣法に詳しい民間シンクタンク研究員
 グループ内派遣の規制強化は派遣労働者を直接雇用に誘導するという面では一定の効果をもたらす。複数の大企業系派遣会社が互いに派遣社員を融通しあえば、形式上は8割規制をクリアでき、数字のつじつま合わせにならないよう見極める必要がある。



 三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、傘下の人材派遣会社から受け入れている派遣社員約1万人を、直接雇用に切り替える方針を明らかにした。グループ内派遣の規制を厳しくした改正労働者派遣法に対応する。

 10月に施行された改正労働者派遣法は、人材派遣会社が系列企業へ派遣する割合を、全体の8割以下に制限した。こうした派遣会社は、主に大企業が人件費節約などを目的につくっていたが、本来は直接雇うべき人を、雇用が不安定な派遣社員として働かせていることが批判されていた。

 事務作業量の多い金融業界は、特にこうした派遣社員の数が多い。三井住友FGでは主力の三井住友銀行などグループ各社が、傘下の「SMBCスタッフサービス」から計約1万人の派遣社員を受け入れていた。

 これまで同社からグループ外への派遣実績はほとんどなく、新しい規制の対象となる。このため、来年1月までに、派遣を受け入れているグループ各社が全員を直接雇うことにした。

 3メガでは、三菱UFJFGも、系列の派遣会社から受け入れていた約8千人の大半を10月までに直接雇用に切り替えた。みずほFGも「既に直接雇用に切り替え済み」としている。

 グループ内への派遣の割合が8割を超える事業所は多く、今後、金融以外の企業グループでも同様の動きが広がるとみられる。

























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