鉄よりも軽くて強い素材として注目されている「炭素繊維」の需要拡大に向けて、大手繊維メーカー各社は、自動車の部品に加工するための新たな技術の開発に力を入れています。
炭素繊維は、鉄に比べて重さが4分の1で、強さも7倍以上あるとされ、「東レ」の製品が最新の航空機の機体に使われるなど注目されていますが、価格が高く、加工も難しいのが難点でした。
このため「帝人」は、炭素繊維で自動車の部品を作ることで、需要を拡大しようと、金属のようにプレス機で簡単に加工できる技術を開発し、松山市に建設した実験用の施設で、今月から大量生産できるかどうか調べています。
また、「三菱レイヨン」は、炭素繊維の自動車部品の加工方法を研究している埼玉県の企業や、炭素繊維の材料の製造技術を持つドイツのメーカーを相次いで買収し、先月から、自動車の部品を生産するための技術開発に、本格的に着手しました。
炭素繊維を自動車の部品に使えば、車体を軽量化でき、燃費の向上にも役立つとして、自動車メーカーも開発の成果に注目しており、繊維メーカー各社は実用化を急ぐことにしています。