厚生労働省が所管する2つの研究機関で、検査機器など金額にして7億6000万円相当の物品がどこにあるか確認できなくなっていることが分かりました。厚生労働省は、手続きを取らずに廃棄したケースが多いとみられるとして、職員に手続きを徹底するよう求めました。
この2つの研究機関は埼玉県和光市の国立保健医療科学院と、東京・世田谷区の国立医薬品食品衛生研究所です。
厚労省によると、同科学院では1959〜2004年度に購入して管理簿に記載された50万円以上の備品525点のうち、208点(4億1700万円相当)が確認できなかった。同研究所でも60〜06年度に購入した50万円以上の備品2303点のうち、133点(3億4600万円相当)の所在が分からなくなっていた。
備品の管理責任者らに聞き取り調査したところ、厚労省の承認を受けて廃棄する本来の手続きを経ずに不用になった備品を捨てていたケースが大半とみられるという。新庁舎への引っ越しなどの際に無断廃棄された備品も多いとしている。
厚生労働省が所管する研究機関では、ことし9月にも東京・新宿区の国立感染症研究所で24億円相当の物品の所在が確認できない状態になっていて、厚生労働省は職員に手続きを徹底するよう求めました。
厚労省がほかの研究機関でも調査を進めていた。