毎年恒例の築地のマグロの初競りで過去最高の高値が付いたと各メディアが報道しており、日本人は、毎年恒例の行事ごとであることは理解しているし、この価格が、一般の競りでの価格ではない事も理解している。
この初競りのクロマグロは736,000ドル(5,649万円)にて寿司店が落札。これは、初競りでの過去最高の価格である。
しかし、この報道しか見ていない海外のメディアや漁業関係者は、日本ではクロマグロは1ポンド(454g)あたり1,238ドルで買うと言う間違った報道や噂が流されている。
日本は、そのマグロの供給国と共に継続的な市場への供給のために共同で様々な研究をしている。その1つがICCATと言う大西洋マグロに関する組織である。http://www.iccat.es/en/
この組織と共に「まぐろ類地域漁業管理機関(RFMO)」というパネルを持って、海洋資源の恒久的保護や捕獲量などについて、毎年、話し合いがもたれている。
これは、漁業関係者の指針を作る会合で、非常に良く機能している組織と、会合である。これらのお陰で、マグロの数は世界でも増えており、安定的な供給が出来ている。
一部のカルト集団(シー・シェパード等)は、マグロが絶滅の危機に瀕しているかのような嘘の噂を流しているも、きっちりした世界を股に掛ける組織にて管理されており、実際の数は年々、増えている。
また、CITES(サイテス)Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora (一般的にワシントン条約と呼ばれる)に於いても、パネルが開かれて、この事は周知の事実である。
アメリカのクロマグロ協会 theABTA.comも深く関わっており、それぞれに情報交換をしなが、海洋資源の有効活用を行っている。
しかし、今回の日本の初競りでのクロマグロの価格が世界中を一人歩きして、各国で様々な思惑を招くこととなっている。
そこでこれらの組織やパネルにて発言力のあるアメリカの漁協の某氏よりテキサス親父へ、このカラクリを簡単に説明するビデオを作って欲しいとの要望があった。それを各総会や委員会で発表するのでとのリクエストがあり、それで作ったのがこのビデオ。
これは、次回の総会にて資料として提示される予定で、実際の世界のクロマグロの1ポンド当たりの価格が9ドル前後であること、今回の価格は、あくまでも売名のための行事である事を説明するビデオとなっている。
世界各国の漁業関係者も、テキサス親父のシー・シェパードに対するビデオを注視しているとのことで、今回、この依頼が来たのだ。
マグロの価格に関する海外の報道
http://www.usatoday.com/news/world/story/2012-01-05/japan-pricey-tuna/52384098/1
1ポンド当たりの実勢価格の過去の平均
http://www.nmfs.noaa.gov/sfa/hms/Safe_Report/2011/CHAPTER%205.pdf
昨年行われたICCAT のクロマグロに関する会合での内容。
http://theabta.com/Nov19PressRelease.pdf
The International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas
大西洋マグロ保護委員会によるマグロの数量
http://theabta.com/Nov19PressRelease.pdf