26日前場中ごろの東京株式市場で日経平均株価は高値圏で一進一退。前週末比100円ほど高い9400円台後半で推移している。円安進行を手掛かりに主力株への買いが先行したが、買い一巡後はやや上値が重い。上値では目先の利益を確定するための売りも出ているという。
朝方に発表された10月30日開催分の日銀の金融政策決定会合の議事要旨で佐藤健裕審議委員が「消費者物価指数の上昇率1%を安定的に達成するまで金融緩和を推進する」と表現を強める議案を提出したことなどが分かった。会合では否決された。
国内証券の情報担当者
これまでの自民党の安倍晋三総裁の日銀への強い姿勢に対して日銀にも緩和を打ち出す準備が整ってきたとの見方も強まった。
もっとも目先の株価上昇が急なため過熱感を警戒する向きもあり上値は限定的。
東証株価指数(TOPIX)も高い。
10時現在の東証1部の売買代金は概算で4241億円、売買高は同7億7663万株。上昇銘柄数は全体の79%の1333、下落銘柄数は238、横ばいは114だった。
トヨタが東日本大震災前の水準を回復し、キヤノンは3000円台を回復した。三菱UFJ、ホンダ、日産自、新日鉄住金など主力株が買われている。京都大学などとiPS細胞の量産装置を開発したと発表したニプロが大幅高。半面、JT、KDDI、菱地所、アステラスなどディフェンシブ銘柄は売られている。欧米系格付け会社のフィッチ・レーティングスが格付けを「投機的」水準にまで引き下げたソニーも下落。
東証2部株価指数は7日続伸。イー・ギャラ、三洋貿易、ソディックが買われ、カーチスHD、CDSが売られている。