イスラム教の大祭・犠牲祭に合わせた4日間の停戦が始まった26日、シリア各地で政府軍と武装勢力による戦闘が起きた。
首都ダマスカス郊外で3人、北部のトルコ国境付近で1人が政府軍の砲撃や銃撃で死亡し、シリア問題を巡る国連とアラブ連盟のブラヒミ共同特別代表が提案した一時停戦は初日で事実上崩壊した。
在英民間団体のシリア人権監視団によると、26日朝、北西部マアレットナアマン近くの政府軍基地を武装集団が襲撃し、軍部隊との戦闘に発展した。襲撃したのは停戦を拒否していたイスラム過激派「ヌスラ戦線」とみられる。ロイター通信によると、中部ホムスでも政府軍の砲撃で2人が負傷した、という。
イギリスのロイター通信が、シリアにおける停戦が破られたと報じた。ロイター通信は、「シリアの停戦は26日金曜に破られ、同国の軍事施設の周辺で衝突が起こった」と伝えた。
この報道によると、シリアの反体制派武装グループは、ダマスカスとアレッポを結ぶ幹線道路から1キロのところにある軍事基地を占拠しようとした。シリアでの停戦が発表される前の25日木曜、シリア軍の総司令官は、シリア軍はテログループによるこの停戦の悪用に対して敢然と立ち向かう」と述べていた。
テログループはこれ以前、アナン特使時代にシリアで発表された停戦を何度も破っていた。シリア軍の総司令官は25日、声明の中で、「シリアは26日から29日までの犠牲祭の期間中の停戦に合意している」と発表した。
さらに、「この停戦はテログループに悪用されるべきではなく、これらのグループはこの機会を爆弾設置や人々への銃撃、あるいは公共の施設の破壊のために使うべきではない。なぜならこの場合、シリア軍はこうした攻撃に対抗する権利を持っているからだ」としている。