8月2日(木)のプライムニュースのテーマは『政府・沖縄・米国の声 オスプレイ&尖閣諸島 渡辺防衛副大臣に問う』
10月初旬の沖縄配備が迫るオスプレイ。それに先駆け、7月23日には山口県岩国基地に陸揚げされた。オスプレイの沖縄配備は日本防衛にとって大きな意義があると主張するアメリカ。周辺情勢を視野に日本の安全保障という観点からアメリカの配備計画に容認の立場をとる日本政府。一方で配備計画スケジュールを見直すべきと、政府とは異なる立場を口にする民主党幹部。政府与党内のハレーションは見逃すことはできない。さらに、無視できないのが、配備反対の声が高まる、地元の姿勢。
政府与党の意思、アメリカの主張、地元の姿勢…様々な意見や思惑が交錯し、オスプレイ配備問題はより一層複雑化している。日本政府はこれらの“声”をどのように集約し、日本国の総意として、どのような結論を導き出せば良いのだろうか?
日本政府を代表して渡辺周防衛副大臣。元米国務省日本部長のケビン・メア氏。そして地元出身の瑞慶覧長敏衆議院議員を招いて、多角的な視点からオスプレイ配備問題の解決の糸口を探っていた。
番組の終わりごろに視聴者からの「私は基地のある町で育ちました。その頃は軍備は嫌でした。無くなればいいと思っていました。でも、今、つきつめて考えてみると軍備がないとはどういうことを意味するのでしょうか」という質問が寄せられた。それに対する衆議院議員、瑞慶覧長敏の返答はイワンのばか(イワンの馬鹿)を超えるヒットだった。
極めて純朴愚直な男イワンは農民である。だから、もちろんいつもは畑を耕している。ある日、他国の軍隊が攻めてきた。イワンは非武装地帯に住んでいるから、軍隊はない。そこでイワンは農作業を中断して、侵入してきた軍隊を説得し、帰ってもらった。『イワンのばか』というロシアの民話集には、そうした話が収録されている。普段は馬鹿だが、ある日、攻め込んできた軍隊を説得して帰ってもらえるほどの知恵者になるという話しである。それを読めば、老若男女問わず、誰もが「ふざけるのもいいかげんにしてくれ」となるはずである。
瑞慶覧長敏の返答は「イワンのばか」を超えている。彼は「沖縄には”いちゃりばちょおでぇ”という言葉があります。先輩たちからも、そう教えられた。だから軍隊を持つとか持たないとかの考えたこともないし、その必要性も感じない」とする趣旨のことを言っていた。つまり「イワンのばか」のような「ある日、軍隊が攻めてきてら・・・」とする物語りなどあり得ないとしているわけだ。質問者に対する答えにはなっていないし、討論拒否のために詭弁を用いたとも言える。
沖縄には瑞慶覧長敏のように討論拒否のタイプは多い。