いまだ被災地に山積み・・・ がれき処理なぜ進まない?
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東日本大震災から1年が経とうとしてる今、岩手県宮古市をはじめとする被災地は復興に向けて動いているが、いまだにがれきがいまだ山積みとなったままとなっている。先月行われた野田総理と自民党の谷垣総裁の党首討論でも、この話題が話された。
被災地のがれき受け入れを実施しているのは青森県・山形県・東京都だけとなっている。受け入れへの最大の壁となっているのが静岡県島田市のように住民による反対運動である。試験焼却に立ち会った細野豪志環境相に住民が詰め寄る場面も見られた。
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被災地悩ます がれきの山 ”処理済み”わずか6%
環境省は宮古市を初めとする岩手県・宮城県・福島県の被災地の「災害廃棄物」の量が多く、全国の力を貸してもらえるように呼びかけた広告を各地の駅で出した。震災から1年が経とうとしているにも関わらずがれきの撤去はいまだ一割にも満たず、細野環境相は政府の目標である2014年3月末までにがれきを処理することは難しいと述べた。
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がれき処理 なぜ進まない? 政府方針「広域処理」は・・・
岩手県・宮城県・福島県など被災地を悩ますがれきの山は処理済みのものがわずか6%となっている。1つの要因として、他府県で処理をする広域処理が進んでいないことがあげられる。福島第一原発の影響を考慮し、福島県のがれきの撤去は他府県に依頼しておらず、協力を要請しているのは久慈市や野田村などの放射能物質の濃度が低いがれきのみである。
現在がれきの受け入れを実施しているのは東京都・山形県・青森県だけであり、検討を表明しているのは環境省によると、神奈川県・大阪府・埼玉県・秋田県・静岡県だけであり、神奈川県の横須賀市のように住民から反対があることがその理由だという。
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”放射能への不安”が・・・
昨日神奈川県庁で行われた黒岩祐治知事のインタビューで知事は被災地のがれきを神奈川県内にある施設で焼却して横須賀市にある処分場に埋める案を検討していたが、先月15日に行われた説明会で怒号を受ける場面も見られた。
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神奈川県 受け入れ難航 説明会では怒号も・・・
被災地のがれき受け入れを検討していた神奈川県の黒岩祐治知事は理解してもらえると思っていたものの、特に最終処分場のある横須賀市では住民の反対意見が多く、住民説明会では住民から怒号を浴びせられる場面も見られた。昨日神奈川県庁で行われたインタビューにおいて知事はもっと誠意をもって一歩一歩進めるしかないと語った。
がれき処理 なぜ進まない? 神奈川県で難航・・・
神奈川県の黒岩知事は被災地のがれき受け入れを検討しているものの、最終処分場のある横須賀市の住民からは反対意見が多々あり、難航している。根底にあるものは放射能に対する安全性への不安と県に対する不信感ではないかと語られた。
放射能不安と不信
神奈川県は被災地のがれき受け入れを検討しているものの、住民からは反対意見が多々あり、難航している。根底にあるものは放射能に対する安全性への不安と国や自治体に対する不信感ではないかと語られた。
香川県と徳島県は放射性物質を含む災害廃棄物の国の基準に疑問があるとし、がれきの受け入れをしていない。また静岡県島田市では岩手県山田町のがれき試験焼却を行った結果、震災以前の安全に再利用できるという基準以下の数値が出たが、それでも住民からは反対の声が上がっている。
また受け入れ先が賛成でも、他地域の住民の声も無視できないといった問題がある。実際に石川県輪島市の市役所にきた反対意見の約8割が輪島市以外からで、中には東京都からの反対の声が上がった。
東北以外で唯一受け入れを実施している東京都でも多くの反対意見があったが、石原都知事が反対意見を押しのけて強引に受け入れを実施した。
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がれき処理 なぜ進まない? 東京以外は困難のワケ
現時点で被災地のがれきを受け入れを実施している都道府県は東京都・山形県・青森県だけであるが、東京都で石原都知事が強引に実施したが、他の知事にはそれができない理由があるという。
がれきを中間処理施設で処理をし、最終処分場に送る手順となるが、全て都の施設が管轄となる東京都と違い、他府県の場合だと中間処理施設や最終処分場は市町村の施設であるため、県が強行しようとしても市町村から反対されれば実行ができない。
番組が受け入れ困難な理由を調査したところ、島根県・和歌山県・三重県・福岡県・山梨県・島根県の6県が「県が所有する処理施設がない」という答えが返ってきた。
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被災地が望むのは・・・
現時点で被災地のがれきを他府県に委託する案が難航しているが、被災地の岩手県・宮城県の災害廃棄物担当の作業員からは広域処理は全がれきの5分の1ほどに過ぎないことなどの現状があまり知られていないこともあり、「現場の声が届いていない」との声があげられている。
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問題解決の道筋は・・・
被災地のがれきを他府県に受け入れてもらう広域処理が難航しているが、問題解決への道筋として弁護士の若狭勝や上智大学の中野晃一らの意見を紹介し、今後の改善案などを語った。
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政府への不信感に由来する受け入れへの反発を緩める案だが、「見えすいた手」「矢面に立たせて」「敵前逃亡」「自らは後方に引いて住民を扇動し自国の政府に不満を転換させる占領国の軍事政府のようなやり方」などと受け取られ、反発を強める可能性が高いのではないだろうか。
地元で処理することを考えるべきだろう。ちなみに処理はゴミ処理場のみ行うものではないはずである。ガスの問題をクリアーにできるのならば、山を崩して高台を造りより瓦礫を積み上げた方が早いし、堤防のための造成にも使えるのではないか。