2日午前5時ごろ、群馬県桐生市新里町新川、会社員鏑木(かぶらき)浩二さん(43)方から「火が出ている」と、近くの住民が119番通報した。木造2階建て住宅約277平方メートルが全焼。妻の展子(のりこ)さん(41)が搬送先の病院で死亡し、2階から子どもと見られる3人の遺体が見つかった。
桐生署などによると、鏑木さんの長男で新里東小学校3年の丞一朗(じょういちろう)くん(9)、次男で同校1年の紳之介(しんのすけ)くん(7)、次女で幼稚園児の史乃(しの)ちゃん(3)の行方が分からないという。2階の燃え方が激しいという。
鏑木さんは7人家族。鏑木さんと母親の五子(いつこ)さん(75)は1階で、展子さんと4人の子どもは2階で寝ていた。消防によると、鏑木さんは背中や両手足にやけどを負った。長女(12)も2階から飛び降りて逃げた際に足に軽いけがをし、2人は病院に運ばれて手当てを受けている。
現場は桐生市役所から西に約10キロ。上毛電鉄新川駅の近くで、小学校や田畑の中に新築の家が増えてきた住宅地。
「上にママと子供がいる」。群馬県桐生市で2日、4人が犠牲になった住宅火災。鏑木浩二さん(43)宅を包む炎を前に、はだしのまま外に逃げ出した家族は泣き叫び、鏑木さんはぼうぜんと庭に座り込んでいた。
「サイレンの音で目が覚めて外に出て行ったら、2階部分が猛烈な炎に包まれていた」。近所の無職宮田泰一さん(75)は驚いた様子で話した。近所に住む主婦(69)によると、火事に気付いた住民らが駆けつけ、現場は騒然となった。鏑木さんの長女(12)は屋根から飛び降り、鏑木さんの母(75)に受け止められて助かった。
パジャマ姿で、はだしのままだった鏑木さんは、助けを呼ぶ妻の展子さん(41)の声を聞き、自宅内に戻ろうとしたが勢いを増す炎を前に近づけず、ぼうぜんとした表情で庭に座り込んでいたという。
(2012年3月2日 朝日新聞デジタル「住宅全焼、子ども3人の遺体 母?も搬送先で死亡 群馬」より)
(2012年3月2日 MSN産経ニュース「「ママと子供が」 家包む炎、泣き叫ぶ家族 群馬・桐生の4人死亡火災」より)