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米軍再編見直し発表 同盟深化 それに基づく外交を! 

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 在日米軍再編ロードマップ(行程表)の見直しに関する8日の共同文書発表を受けて、日米両政府は在沖縄米海兵隊のグアム移転の規模や残る部隊の移転先などについて具体的な協議に入る。米国のアジア太平洋重視の戦略や財政事情を受けた新国防戦略に沿って協議は進む見通し。米国は日本との役割分担を進める構えで、日本は新たな資金的支援や基地負担を求められることを警戒している。一方、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題では、早期解決は事実上遠のき、固定化への懸念が強まっている。

玄葉光一郎外相
 日米同盟深化の大きな前進だ。今回の見直しはむしろ(米軍の)抑止力向上につながる可能性もある。

 玄葉光一郎外相は8日夜、外務省での記者会見で、米軍再編見直しの意義を強調した。

 アジア太平洋地域に海兵隊をどう配置するかは、オバマ政権の「アジア太平洋重視」の柱の一つだった。急速に軍拡・近代化を進める中国の海・空軍への対処を念頭に置いたもので、中国から攻撃を受けた場合、反撃できる能力をどう確保するかを検討。結論として、グアム、沖縄、ハワイの3カ所に海兵隊の航空部隊と戦闘部隊からなる機動展開部隊を分散させる構想が浮上した。

 なかでもグアムは沖縄に代わり、その中枢機能を担う拠点となる想定だ。米側が在沖縄海兵隊のグアム移転と普天間飛行場の移設を切り離す方針に転じたのは、普天間移設で進展が期待できない状況で、グアムの米軍拠点化が頓挫する事態をどうしても避けたかったという事情が大きい。

 日米両政府は今後、数カ月間かけ、在沖縄海兵隊のグアム移転規模縮小やそれに伴う駐留拠点の分散案を詰める。ただ、日本の資金面の支援継続などに期待を寄せる米側に対し、日本側には財政負担への警戒感が強いなど思惑の違いものぞく。

 グアム移転経費は、日米の協定で、普天間移設とセットになっているのを前提に日本政府が融資も含めて60・9億ドル負担することになっている。しかし沖縄からグアムに移転する海兵隊の規模は、06年ロードマップの約8000人から約4700人に縮小される見通しで、日本政府内からは「人数が減れば当然、負担額も維持することにはならない」(防衛省幹部)と負担減を求める声が上がる。これに対して、財政赤字削減のため基地整備事業費の削減努力を迫られている米側は、協定の上限に近い額を日本側が拠出するよう協力を求める可能性が高い。

 米国が構想する海兵隊のローテーションも火種になりそうだ。グアム移転の規模縮小に伴い、ローテーションさせる拠点の候補地としてオーストラリア、フィリピン、ハワイなどに加え、米軍岩国基地(山口県岩国市)を米側が日本側に打診したことが判明。地元は「これ以上の負担増は認められない」(二井関成県知事)と猛反発し、早くも壁に突き当たった。米側がローテーション費用の負担を求める可能性もある。

 また、海兵隊のグアム移転と切り離された普天間飛行場の移設が進まずに固定化すれば、同飛行場を継続使用することになる米側から補修費負担を求める声が出るのは確実だ。日本は81〜95年に隊舎や管理棟などの整備に計約244億円を投入したが、米国と普天間返還で合意した96年以降は大型整備をやめたこともあり、「滑走路や施設はボロボロ」(自衛隊幹部)とされる。移設実現の見通しが立たないなか、米国は「移設が遅れれば既存施設へのインフラ投資が必要になってくる」(ウィラード米太平洋軍司令官)と圧力を強めている。


 米国の事情に端を発した再編見直しだが、日本政府は、在沖縄米海兵隊のグアム移転や米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)より南の米軍施設返還を普天間移設とのパッケージから切り離して先行して負担軽減を実現させ、仲井真弘多(ひろかず)知事らの理解を得る戦略に転じた。

玄葉光一郎外相
 パッケージで進めていくやり方は圧力をかけるようなやり方だ。今のままでは膠着(こうちゃく)状況を打開するのは難しいと判断した。

 玄葉光一郎外相は8日夜の記者会見で、方針転換の背景を説明した。さらにパッケージ切り離しについて「知事はじめ地元から要望をいただいてきた」と繰り返し、沖縄の要望に応えて信頼関係の構築を目指す姿勢を強調した。

 しかし、パッケージの切り離しで「沖縄への説得材料を失った」(政府関係者)のも事実だ。負担軽減の先行が実現すれば沖縄側に歓迎されるのは確実だが、それが辺野古移設に向けた理解につながる見通しはまったく立たない。

 沖縄県議会の玉城義和副議長(同県名護市選出)は辺野古移設を堅持する政府の姿勢について「相変わらず現実を直視していない」と批判。基地負担軽減の先行で移設に向けた環境整備をしようという政府の姿勢について「沖縄のために汗をかいているとの格好をつけるためだけかもしれない。一番怖いのは『こんなに頑張ったが、沖縄が反対したからダメだった』として普天間固定化を沖縄のせいにすることだ」と、警戒感を募らせる。

 政府も「切り離しという点だけは要望に応えられたが、辺野古移設の困難さは何ら変わっていない」(外務省幹部)との認識だ。このため、移設に向けた公有水面埋め立て許可を仲井真知事に申請する時期について、米議会対策との関係で設定していた6月ごろから先送りし、時間をかけて沖縄を説得する構えだ。



 日米両政府は8日、在日米軍再編見直しに関する基本方針を発表した。沖縄の海兵隊のグアム移転と米軍嘉手納基地以南の米軍5施設の返還を先行させ、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設から切り離す方針を明記。野田政権は今年6月にも予定していた普天間飛行場の県内移設に向けた埋め立て申請を先送りする。

 両政府は今後、普天間移設とグアム移転、嘉手納以南の施設返還をパッケージとしていた2006年の在日米軍再編のロードマップの見直しに入る。玄葉光一郎外相は8日の記者会見で「数カ月かけて日米間で精力的に協議を行い、結果をとりまとめたい」と述べ、今春の日米首脳会談で新ロードマップの最終合意を目指す意向を表明した。

 基本方針では、普天間飛行場の移設先について、日米が合意している名護市辺野古への移転が「日米両国が唯一の有効な進め方だと信じている」とし、日米合意に変更がないことを改めて強調した。


(2012年2月9日 毎日新聞「クローズアップ2012:米軍再編見直し発表 「同盟深化」日米、思惑に相違も」より)
(2012年2月9日 朝日新聞デジタル「普天間の辺野古移設を堅持 米軍再編見直し政府方針発表 - 政治」より)


『玄葉光一郎外相は8日夜の記者会見で、方針転換の背景を説明した。さらにパッケージ切り離しについて「知事はじめ地元から要望をいただいてきた」と繰り返し、沖縄の要望に応えて信頼関係の構築を目指す姿勢を強調した。』
『沖縄県議会の玉城義和副議長(同県名護市選出)は辺野古移設を堅持する政府の姿勢について「相変わらず現実を直視していない」と批判。基地負担軽減の先行で移設に向けた環境整備をしようという政府の姿勢について「沖縄のために汗をかいているとの格好をつけるためだけかもしれない。一番怖いのは『こんなに頑張ったが、沖縄が反対したからダメだった』として普天間固定化を沖縄のせいにすることだ」と、警戒感を募らせる。』

 分離案が「知事はじめ地元から要望をいただいてきた」は事実だし、また「10年20年かければ別だが現状では辺野古移設はあり得ない」とする知事発言もあるので、その要望にも応えればいい。今回の分離案を進めるうえで、沖縄県との信頼関係が築けなかったら何か都合の悪いことが日本で起こるということではないのだから。

 余談だが県民の一人として政府や閣僚などの「痛みを分かち合う」という言葉を聞くと「そりゃあ結構なことですね。まぁ、頑張ってみてください」と思うのだが、シェイムレスの沖縄県民は、それを口真似する人が多い。「痛みを分かち合う」と言える資格のある人とは、自らもそれができる人である事が必要条件だが、県内の南城市ですらゴミ処理場の建設問題で、その建築場所を巡って解決の糸口すら見いだせない状況なのである。そうである県民のシェイムレス発言に対して「では、痛みを分かち合いましょう」といえる県民が全国のどこかにいるわけはないはずである。ということで「そりゃあ結構なことですね。まぁ、頑張ってみてください」と再度思うのである。




























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