男子マラソンでロンドン五輪出場を目指し、カンボジア国籍を取得したタレント・猫ひろし(34)が5日、「第61回別府大分毎日マラソン」に出場。自己ベスト(2時間37分39秒)を7分以上短縮する2時間30分26秒をマークした。順位は50位ながら、五輪代表選考のライバルとなる同国北京五輪代表のヘム・ブンティン(26)の昨季最高記録(2時間31分58秒)を上回り、カンボジア五輪代表の座に前進した。
胸にカンボジア国旗が縫い付けられた赤いランニングシャツを着た猫が「よしっ!」とこん身のガッツポーズでゴールに飛び込んだ。「最高です! ロンドンが見えてきたと思います」と、気持ちよさそうに汗をぬぐった。
声援には持ちギャグの「ニャー」のポーズで応え、お笑いタレントとしての“役目”を果たしながらの激走だ。1月中旬までの3か月半はカンボジアで走り込み。「1日33キロくらい、毎日何があっても走ってた」。猛練習が自己ベストを一気に更新する原動力となった。
現在、カンボジアに五輪標準B記録(2時間18分)を上回る選手は不在。1つの国の陸上全種目から男女それぞれ1人出場できる「特例枠」が、猫のターゲットだ。「特例枠」に入るには、この日のレースで同国五輪委員会が示した目標「自己ベスト更新」をクリアしブンティンの昨季ベストを上回ることが条件だったが、文句なしのタイムで強烈にアピールした。
昨年11月16日、インドネシアで開催された「東南アジア競技大会」では2時間37分39秒。31分台には及ばなかったが、五輪前の最後のマラソン挑戦で夢を手繰り寄せた。「あとは待つだけなので」と猫。手応え十分で朗報を待つ。
(2012/2/6 スポーツ報知「猫ひろし、五輪代表前進「あとは待つだけ」…別大マラソン」