あなたはハイヒールが大好きかもしれないが、あなたの足やふくらはぎはそうではないかもしれない。日常的にハイヒールを履いているとふくらはぎの筋肉の繊維が短くなり、けがをしやすくなったり、歩き方が変わってしまったりするという研究結果を、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が報じた。
オーストラリアの研究チームが「応用生理学ジャーナル(Journal of Applied Physiology)」に発表したもので、ニューヨーク・タイムズによるとこの種の研究はあまり例がないという。研究チームは、最短でも過去2年間にわたって週40時間以上ハイヒールを履いていたという若い女性9人と、たまにしかハイヒールを履かない、あるいはまったく履かないという若い女性10人を比較した。
するとハイヒール愛用者のほうが歩幅が狭く、より足に力が入っており、膝が曲がったまま、いつも爪先立ちをしているような状態で歩いていた。この運動パターンはハイヒールを脱いで裸足になっても変わらなかった。その結果としてふくらはぎの筋肉繊維が短くなってしまっており、ハイヒールを愛用していないグループよりも大きな力学的負荷がふくらはぎにかかっていた。
さらにハイヒール愛用者は腱をあまり使わず筋肉に頼る歩き方をしており、アキレス腱などの腱が弱くなってけがをしやすくなる。またハイヒール愛用者の歩き方は、底が平らな靴を履いている人よりもエネルギーが必要で、筋肉が疲れやすいという。
また普段ハイヒールばかり履いている人がスニーカーや底の平らな靴を履いて運動をすると、無理に力をかけて普段使ったことのないポジションに足を動かすため、けがのリスクが高まる。
研究を率いたニール・J・クローニン(Neil J. Cronin)氏は、あまりにヒールが高い靴は避け、ハイヒールを履くのは週1、2回程度にして、デスクに座っている時などはできる限り脱ぐようにアドバイスしている。
(2012年01月30日 AFPBB News「ハイヒール愛用者はけがにご注意、豪研究」より)
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