オバマ米大統領は25日、ホワイトハウスでベトナムのチュオン・タン・サン国家主席と会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の年内妥結を目指して交渉を加速させる方針で一致した。南シナ海などの海洋権益を巡る中国や東南アジア諸国の対立については、平和的解決の努力を両国が続けることも確認した。
オバマ大統領は会談後に、TPPについて「地域全体で雇用を生み出し、投資を増やすものだ」と記者団に語った。そのうえで「年内に合意を達成するという野心的な目標に向けて全力を尽くす」と表明した。サン国家主席も「年内の妥結に向けてベトナムも最善の努力をする」と強調した。
南シナ海の海洋権益問題を巡っては、アジア太平洋重視を掲げるオバマ政権による平和的解決への取り組みに、サン国家主席が謝意を表明した。東南アジア諸国連合(ASEAN)は問題解決に向けた「行動規範」の策定に動いている。オバマ大統領はこうしたASEANの取り組みを「紛争の平和的かつ公正な解決につながるものだ」と評価した。
両首脳は会談後、防衛や科学技術、環境・医療、教育など幅広い分野での両国の協力を拡大することを盛り込んだ共同声明を発表した。サン国家主席はオバマ大統領の訪越を招請した。