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除塩・除染農家と共に 意欲を喚起 福島・JAそうま対策班

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 農家の営農継続・再開に向け、福島県JAそうまの災害農地除塩・除染対策班が、2月から本格的に動きだす。既に3人の専従職員を配置し、特産の米と梨を中心に技術を習得し、被災農家を後押しする。昨年は水田面積の2割にとどまった稲作の回復を目指し、農家と二人三脚の取り組みが始まる。

 東日本大震災の津波や東京電力福島第1原子力発電所事故で、同JAは大きく被災した。管内は、南相馬市や飯舘村など4市町村からなり、水田面積約8500ヘクタールの稲作地帯。2011年産米は、約4500ヘクタールが津波の被害を受けて稲作ができず、原発事故に伴う作付け制限と一部地域の自主的な見送りによって約2300ヘクタールで生産を見合わせた。米を作ることができたのは約1700ヘクタールにとどまった。430ヘクタールほど園地がある梨も「風評被害」に悩まされた。


 JAが災害農地除塩・除染対策班を設置したのは昨年11月。「一人でも多くの生産者に営農をしてもらいたい」との思いからだ。同対策班の職員は、県や東北農政局などが開く除塩や除染の研修会に参加して情報収集と技術習得に努めてきた。同年12月と今年1月にはJA独自で果樹園の除染の実証試験を実施。県の除染の基本方針で複数示された樹体の除染方法を比べ、高圧洗浄機を使う方法を管内で採用することにした。

農地の除塩マニュアル 農村振興局 平成23年6月

 JAは、国や県の事業に基づいて市町村から農地の除塩・除染を請け負い、農家を雇用して作業を行う予定だ。除塩は2月、除染は3月開始を見込む。営農再開までの生活を雇用によって支える狙いもある。この取り組みも同対策班が担当する。具体的な方策を市町村と協議する。除塩・除染の技術を含めて説明会を各地で行う。同対策班の西幸夫班長は「情報をいかに分かりやすく生産者に伝えるかが作業を効率的に進める上で大切」と強調する。

 南相馬市の稲作農家、寺沢白行さん(61)は「JAが除塩・除染の専門部署をつくったことは心強い」と期待する。

 また「安心して生活できる環境づくりが、組合員の作付け意欲にもつながる」(西班長)として、同対策班は組合員向けに米や野菜の放射性物質の検査も行っている。JAの敷地に検査室を設置し検出器を2台導入。組合員が食べる農産物や加工品を1日に30検体調べている。

(01月29日 日本農業新聞「除塩・除染農家と共に 意欲を喚起 福島・JAそうま対策班」より)































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