兵庫県宝塚市の市役所放火事件で、市は14日、今回の火災による庁舎の推定損害額を1億4700万円と発表した。共済に加入しているが、どの程度補償されるかは分からず、市は週明けにも共済会と協議する方針。
市によると、炎上した壁面や天井の修理費を6900万円と推定。ほかに空調設備工事費を5600万円、電気設備工事費を2200万円と見積もった。今後の詳細な調査で金額が変動する可能性があり、机などの備品類の損失額は現時点では分かっていない。
市は、火災や水害に備えて「全国市有物件災害共済会」の建物総合損害共済に加入。放火でも補償されるといい、範囲や手続きなどは共済会と今後話し合う必要がある。
また、市はこの日の県警の現場検証後、1階の火災現場を報道陣に公開した。窓や天井にはすすが付着し、室内は真っ暗。鎮火後50時間以上たっても焦げた臭いが漂う。ガソリンがまかれた市税収納課のカウンターは、天板を支える板がわずかに残るだけで黒く焼け落ちていた。
16日からの市役所業務再開に向け、被災現場から書類や機材を空いている会議室などに運び込む作業も始まった。
中川智子市長は14日午前、火災現場を視察した井戸敏三知事に「県も力になってほしい」と支援を要請。井戸知事は報道陣に「正式に要請があれば何ができるか検討したい」と話した。