女優の南沢奈央が5月16日、東京・渋谷のNHK放送センターで行われた主演ドラマ「お父さんは二度死ぬ」の完成報告会見に、共演する麻生祐未、柾木玲弥、遠藤憲一とともに出席した。
NHKの連続ドラマで主演を務めるのは初めてで「まずはタイトルのインパクトにびっくりさせられた」(南沢)。弟役の柾木から「南沢さんが食べたいといったメニューが、撮影の最終日に出されて『すごい権力だな』と思った」と暴露されるとタジタジ。演出を手がける藤井裕也氏が「みんなの希望を、南沢さんが代弁してくれただけ(笑)」と説明していた。
遠藤演じる父親の事故死をきっかけに、趣味、借金、愛人など知られざる父の秘密が明らかになるサスペンス。葬儀当日、殺人事件の捜査として刑事が現れたことから、物語は思わぬ方向に展開する。一家の長女を演じる南沢は「人が死んでしまった悲しみだけではなく、心温まる部分も。そして最後にゾッと鳥肌が立つ脚本で、やりがいがあった。私が脚本から受け取った驚きと感動を伝えられればという思いで演じた」と手応えを示した。
一方、遠藤は「今まで映画やドラマで、何度も死んだことはあったが、棺桶に入るのは初めて」。遺影も撮影し「笑顔や仏頂面といろんなパターンを撮って、結局仏頂面が採用された。自分で見ても怖すぎる!」と笑いを誘った。麻生は「すてきな家族のお話。現場は笑いが絶えず、毎回登場されるゲストの皆さんもすばらしい。どうして“二回死ぬ”のか、最後にわかるので楽しんでいただければ」とアピールしていた。
プレミアムよるドラマ「お父さんは二度死ぬ」から6月1日放送開始。毎週土曜日午後11時15分〜44分(連続4回)。
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日本の社会には裁判という概念はない。その変わり、生きている間に帳尻が合うという発想をする。もちろん現実に、たとえば100の幸せがあれば100の不幸もあったなどという人生が、誰にも訪れるということはない。ただ日本人は、裁判という概念がないことを、そう思うことで補っているわけだ。一方、ヨーロッパの社会には裁判という概念があり、しかも、その裁判は死後の世界でも二度行われる。まず死んだときに裁かれる。二度目の裁判は「最後の審判」という名で日本でも有名である。この構図がそのまま現世で行われる。
ただ、ドラマ「お父さんは二度死ぬ」はヨーロッパのそれではないようだ。まず死に、次に私生活のすべてが暴露され、それが裁かれ、死刑判決を受ける。そんな感じのドラマのようだ。