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痴漢交流サイトに依った痴漢行為なら罪に問わず、処分保留?

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 奇妙な痴漢事件が報道された。4月下旬、JR和歌山線の普通列車で、20代の女性に痴漢したとして強制わいせつ容疑で逮捕された大阪府の男(26)が、調べに対し「女性とは痴漢交流サイトで合意していた」と供述したのだ。

「痴漢交流サイト」とは、痴漢したい人とされたい人が連絡を取り合うサイト。FNNなどによると、容疑者の男は「サイトで女性から時間と車両を指定された」と話したが、女性は「サイトを利用したことはない」と全面否定。女性は通勤時にいつも同じ席に座っていたようで、何者かが女性になりすましてサイトに書き込みをしたと見られている。和歌山地検は5月21日、男を処分保留で釈放したが、捜査は続けるとしている。

 事件を受けてこのサイトは閉鎖されたが、ネット上には他にも同種の交流サイトが複数存在する。今回の事態は改めて交流サイトの「危険性」を浮き彫りにした形だが、はたして「痴漢交流サイト」の運営や利用は処罰の対象とならないのか。また、たとえ合意の上だとしても、電車内での「痴漢プレイ」は罪に問われないのか。佐藤嘉寅弁護士に聞いた。

――交流サイトの利用に問題はないのか?

 まず、合意の上での電車内の『痴漢プレイ』が、何らかの犯罪として処罰されるのかを考えてみましょう。一般的な痴漢行為は、その程度に応じて、(1)刑法の強制わいせつ罪と、(2)各都道府県の条例で処罰される迷惑行為防止条例違反によって処罰されます。しかし(1)強制わいせつ罪は、『相手方の意思に反する行為』が構成要件となっているので、同意があれば処罰されません。また、(2)迷惑行為防止条例違反も、『人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動』が必要です。相手が同意していれば、しゅう恥も不安もありませんので、処罰できないでしょう。

――では「痴漢プレイ」は犯罪ではない?

 いえ、公然わいせつ罪にあたる可能性があります。その罪名のとおり、公然とわいせつな行為をすることが処罰の対象となります。強制わいせつが『痴漢の被害者=個人』を保護しているのに対して、公然わいせつは『社会の性的道徳の秩序』が保護対象です。つまり、同意のうえでの痴漢行為でも、社会の性的道徳の秩序を害するものとして処罰対象になり得ます。実際に処罰されるかは、周囲の人間が気づくような態様で行われているかなど、程度問題となるでしょう。

――そう考えると、「痴漢交流サイト」については?

 運営を取り締まるには立法や法改正が必要でしょうね。『痴漢交流サイト』は犯罪となり得る行為の情報交換を許しているとは言えます。しかし現時点でこれを取り締まる法律はなく、処罰の対象にはならないと考えます。公然わいせつ行為をしようとする男女を手助けする幇助犯、という構成も考えられなくはないですが、立件するのは難しいでしょう。ただし、利用はしないのが賢明です。『なりすまし』に遭って無関係の人を傷つけてしまえば、人生を棒に振ることにもつながります。

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 今の日本ではマスメディア的批判がそのまま通る社会である。もちろん和歌山地検の検察もその例外者ではないのだろう。マスメディア的批判をそのまま通すとは、他人の言ったことを、鵜呑みにし、そのまま行動してもいいという行動原理である。この心を持った検察の判断に従えば、『容疑者は、痴漢したい人とされたい人が連絡を取り合うサイト「痴漢交流サイト」に記載された情報をそのまま鵜呑みにし、そのまま行動に移しただけであって、強制わいせつ罪にも迷惑行為防止条例違反にも抵触するものではない』としたのだろう。

 ちなみに私たちの常識は「相手の言ったことは、必ず相手を用いて確認する」など人の判断には慎重とするもので、この心は和歌山地検の検察てゃ異なるものだ。
























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