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住宅の駆け込み購入 投資家らが国債を売り長期金利が上昇する傾向が続く

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 二十三日の国債市場で、長期金利の指標となる新発十年国債の利回りが一時、節目となる1・00%を付け、約一年二カ月ぶりの水準まで上昇した。連動する住宅ローン金利はまた上がりそうで、これから住宅を買おうとする人には痛手だ。 

 長期金利の終値利回りは前日より0・055%低い0・830%となったが、不安定な動きが続きそう。

 長期金利が上がり出したのは、日銀が四月に市場から大量の国債を買い上げる大幅な金融緩和を決めてからだ。日銀は長期金利の低下を狙っていたが、世の中に出回るお金が増えるとの見通しから、一段と円安が進み、企業の収益改善期待から株価が上昇。投資家らが国債を売って、株式を買う動きが加速したため、国債の価格は値下がりし、長期金利が上昇する傾向が続いている。

 これを受け、ソニー銀行は十五日、六月から住宅ローンの十年固定金利(最優遇)を0・286%上げ、1・692%にすると発表した。引き上げは二カ月連続。住宅ローン金利に連動する長期金利が1%になり、「さらなる金利上昇の可能性は否定できない」と担当者。今月末に六月の住宅ローン金利を決める大手行も金利引き上げに動くのは必至。住宅購入者の負担は増加する。

 金利がさらに高くなる前に家を買おうとする動きも広がっている。三菱地所のマンションのモデルルームでは、従来の二倍の来場者が訪れる日も。業界関係者は「今の盛り上がりは金利上昇を意識した駆け込みの側面が大きい」と指摘する。

 また企業向け貸し出しの目安となる長期プライムレート(最優遇金利)も十日からそれまでの1・20%から1・25%に上げられ、企業の設備投資の足を引っ張ることになる。

 BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は「債券市場が多少、物価が上がると織り込み始めただけで、長期金利は1%を付けた」と指摘。「本当に2%の物価目標が実現すれば長期金利は3%になるはずで、さまざまな問題が起こる。危うい土台に乗った金融政策であることが垣間見えた」と語る。


<長期金利> 
 直近に発行された十年物国債の流通利回りを指し、さまざまな金融商品の金利設定の指標となる。市場で取引される国債の価格の動きに応じて、利回りは変わる。利回りは国債の価格と反対の方向に動くのが特徴で、国債の価格が上がれば、利回りは下がる。逆に債券価格が下がれば、利回りは上がる。国債を持つ人が受け取れる利息は、国債の値動きにかかわらず、一定。そのため値段が下がった時点で国債を取得すれば、利回りは上がる関係になる。


























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