日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が24日に予定していた元慰安婦の韓国人女性2人との面会が急きょ中止になった。元慰安婦が「会いたくない」と難色を示し、支援団体が中止を決めた。
2人は韓国から来日中の金福童さん(87)と吉元玉さん(84)。市役所で24日午前11時から約30分間、橋下氏と会い、面会の様子は報道陣に公開される予定だった。
支援団体「日本軍『慰安婦』問題・関西ネットワーク」によると、2人が「発言を撤回しない橋下氏に会ってどうなるのか」と抵抗感を示し、疲労で体調も悪化していたことから、韓国側の「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」が23日夜に面会中止の判断をした。
元慰安婦との面会について、橋下氏は「日本の責任は認める。優しい言葉をかけないといけない」として謝罪の意を示す一方、「当時、慰安婦制度は必要だった」との発言撤回には応じない意向を明らかにしていた。
支援団体が24日に公表した元慰安婦の声明では、橋下氏の謝罪方針を「謝罪パフォーマンスだ。2度も踏みにじられる必要はない」と批判し、「市長に会う価値も理由もない。面談を拒否する」と強調した。
大阪市に支援団体から面会中止の電話連絡があったのは24日午前8時10分ごろ。担当者は「前日の夕方まで面会に向けた連絡を取り合っていたが、中止の話は一切なかった」と困惑した様子で、「今後、仮に再面会の申し入れがあっても、調整は難しくなるだろう」と話した。
面会は支援団体が昨年9月、橋下氏の「強制連行の確たる証拠はない」との発言を受けて要請。この時は日程が合わず、今年4月末に再要請していた。大阪市内には多くの在日韓国人らが住むことから、橋下氏は「市長として意見を聞く」と述べており、面会は市長公務の位置づけだった。
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フランスの国旗が「平等・博愛・自由」の理念を示していることを知らない日本人はいないだろう。ただ、その理念を、フランス革命でフランスは達成したと勘違いしている人もまた多いらしい。数年前、フランス人自ら、その理念を降ろそうとした。実現できそうもない、というのが理由だ。
アメリカは人権や人道、民主制度などの理念に世界は従うべきだとしている。もっとも、それはアメリカに限らず、今や各国の共通した人類の目標になっている。しかし、フランスのように、その理念が各国の国内で、アメリカならその国内で実現されているというわけではない。しかし理念のキャンペーンは世界に向かってやりつづけている。
日本も、その理念のキャンペーンを行えばいい。韓国に対しても同じで、過去や、その事実関係はどうであれ、現時点での人類的理念に日本国は励んでいます。過去の韓国人に対して行ったことは、その理念に反しております。これだけを言い続けばいいだけである。
しかし残念なことに日本には東京裁判があった。この裁判の最大の特徴は、戦争の協力者や組織を裁かなかったことである。占領者にとって占領をし易くするための必要不可欠な組織は、通信と運輸である。したがってマッカーサーはNHKや大手新聞社などの通信、国鉄や日通などの運輸、これらの組織を裁判に処すことをしなかった。だから日本人は戦勝者の手によっても、慰安婦問題の核だとされている、誰が、どの組織は、慰安婦たちを募集し、その輸送にあったのかという、事実の検証を行うことができなかった。このこkとが日本人のトラウマになっているようだ。
本来、理念と事実の検証とは別物である。しかし、日本では理念の宣伝と事実の検証とを混同して語るきらいがある。日本では、真面目な人ほど、人類社会における性による差別、一方の性が他方の性を抑圧する制度、その一切を認めないという理念を実現させようと努力している、などと対社会的に表明していればいいものを、その中に慰安婦問題を溶かし込んで解決を図るべきところを、真剣にこの問題を扱う人ほど「しかし、事実の検証を行っていないものを…」という形でひっかりを覚えてします。橋下徹大阪市長も、その罠に陥ったひとりである。