緋寒桜は満開。といっても北部の桜祭りの桜は花が少ないらしい。何でも去年は台風が多く、そのため桜の木が塩害被害にあっているかららしい。桜は満開でもまだまざ寒い。今夜も寒い。新陳代謝も激しい。体力も消耗される。脳内もフリーズ。こんなとき観たい映画がビートルズの『マジカルミステリーツアー』です。『マジカル・ミステリー・ツアー』(Magical Mystery Tour)は、ビートルズ製作、主演のテレビ映画。イギリスのBBC1で1967年12月26日(ボクシング・デー)に初放映された。ビートルズの最大の失敗作だと言われている。その理由が観たい理由なのだ。いつ寝てもいい。それでも観た感じになってしまい不思議な映画。
この映画は、ケント州のウエスト・メイリングのイギリス空軍基地で多くの場面が撮影された(基地は最近閉鎖された。最後の『ユア・マザー・シュッド・ノウ』のボールルームの場面など、屋内の場面の多くは、基地の使用されなくなった航空機の格納庫で撮影された。『アイ・アム・ザウォルラス』の、4人が着ぐるみを付けた演奏場面や、マラソン大会などの屋外の場面は、基地の滑走路やその前の広場で撮影された。イギリス空軍の軍事教練部隊が行進しているのがいくつかの場面に映っているほか、空軍の偵察爆撃機の姿も確認できる。また、バスツアーの場面は、イングランド南西部のデヴォンやコーンウォールで撮影されたが、完成したフィルムでは多くの部分が削除された。また、ストリップ・ショーの場面はロンドンのソーホー地区にあるストリップ劇場「レイモンド・レヴューバー」(Raymond Revuebar)で、『ザ・フール・オン・ザ・ヒル』の場面はフランスのニースでそれぞれ撮影された。
この作品は、ポール・マッカートニーが "Scrupt" と呼んだ、様々なアイデア、スケッチなどの手書きのメモの寄集めを基に、脚本なしで撮影された。内容は、ビートルズ(特にリンゴ・スターが中心的な役割)の参加するバスツアーの模様である。ツアーのビートルズ以外の参加者は、リンゴの叔母役であるジェシー・スターキー夫人(ジェシー・ロビンズ)、ジョリー・ジミー・ジョンソン(デレク・ロイル)、ウェンディー嬢(マンディー・ウィート)、バスター・ブラッドヴェッセル(イヴォア・カトラー)等。
ツアー中には「5人の魔法使い」の気まぐれにより様々なおかしなことが起こる。魔法使いはビートルズの4人と、彼らのロードマネージャーを長年勤めていたマル・エヴァンズが演じている。
また、ジェシーがエキセントリックで人騒がせなブラッドヴェッセル氏と恋に落ちたり、イギリス陸軍の人材登用事務所のような場所を訪れたり、どんな乗り物を使用してもよいマラソン大会に参加したり、最後にストリップ・ショーを見たりといった、ツアー中の出来事の合間に、ビートルズによる『アイ・アム・ザ・ウォルラス』、『ブルー・ジェイ・ウェイ』などの演奏シーン、イギリスのコミックバンド「ボンゾ・ドッグ・ドー・ダー・バンド」 による『Death Cab for Cutie』の演奏シーンなどが挿入されている。
この映画はビートルズがドラッグに一番はまっていた時期のもので、それのイメージフィルムという捉え方は当時からなされていた。そのことは、45年を経た今も変わらない。変わったのは、『マジカルミステリーツアー』の公開時にプロモーション・ビデオといったものはなく、プロモーション・ビデオに慣れた世代から『マジカルミステリーツアー』を観ると、長編のプロモーション・ビデオとして捉えてしまい、映画としての批評は為されないのではないかということだろう。
マジカルミステリーツアーは1967年12月26日、イギリスのBBC1でモノクロ放送され、数日後にBBC2でカラー版が放送された。
公開当初、「永遠に10年早い映画」「名高いビートルズの音楽に申し訳程度の映像がおまけ」、「ビートルズの“マジック”は失敗」、「愚かなホーム・ムービー 伝説の終焉」などと酷評された。ビートルズの伝記を執筆したイギリスのジャーナリストハンター・デイヴィス(Hunter Davies)は、「アーチストが、自分の作品のために公式に謝罪しなければならないと感じたのは、記憶にある限りこれが初めてのことであった」と述べている。
ポール・マッカートニーは後に、記者達に対し「これがよい映画だとは言わない。これは僕達の初めての試みだったんだ。僕達が下手を打ったというのなら、確かにそうなんだろう。(この映画は)挑戦で、うまくいかなかったんだ。次はもっとうまくやれると思う」と語った 。しかし、同時に「君たちは万年筆がどんな役割を持っていると思う? 字を書く物であると同時に、胸の飾りにもなるんだよ。僕たちはそういうことをやりたいんだ」と述べ、映像というメディアが単なる「物語の表現物」にとどまらないという概念を示唆している(事実、10年以上経った80年代前半から、MTVが口火を切る形で、音楽を主眼に観ても楽しいプロモーション・ビデオが隆盛を誇ることになる)。時が経つにつれてポールは見方が変化していったようで、「今改めて見てみると、全く問題ないと思う。僕達もこの映画に満足していたと思う」と述べている。
映画としては失敗作だったが、”音楽を主眼に観ても楽しいプロモーション・ビデオ”としては価値がでてしまった『マジカルミステリーツアー』、その意味ではビートルズの“マジック”は成功したといっていいのだろう。こうした観点から、今は失敗作とされている作品を見るのも面白いかも知れない。
1982年のビートルズのドキュメンタリー映画『ザ・コンプリート・ビートルズ』(The Compleat Beatles)では、ナレーターのマルコム・マクダウェルが「ほとんどポール一人が企画したもので、イギリスの片田舎を友人や、俳優、サーカス芸人とともにバスで旅行し、途中で起こる様々な出来事を何であれ撮影しようとしたが、残念ながら何も起こらなかった」と述べている。
この作品は1981年にアメリカで、日本でも80年代初頭にアップル未公認だったがビデオテープでソフト化された。コピーされたフィルムを使用しており、コマ飛び、ノイズ等のある不鮮明な画質での発売だった。1988年にビデオテープ、レーザーディスクがアップル/MPIから再発売された。音声はジョージ・マーティンによって新たにステレオ・ミックスされた。1998年にはDVD化されたが、現在は廃盤となっている。2008年中に再リリースが予定されていたが、2012年10月8日にリマスター版でDVDとブルーレイがリリースされた。特典映像として、インタビュー、メイキングや削除された映像が収録されている。
【収録曲】
"マジカル・ミステリー・ツアー"
"ザ・フール・オン・ザ・ヒル"
"フライング"
"アイ・アム・ザ・ウォルラス"
"ブルー・ジェイ・ウェイ"
"ユア・マザー・シュッド・ノウ"
"ハロー・グッドバイ"(エンディング・クレジットの際に流れる)
"デス・キャブ・フォー・キューティー" (ボンゾ・ドッグ・ドー・ダー・バンド の楽曲・演奏)
"オール・マイ・ラヴィング" (オーケストラによる演奏のBGM)
"シー・ラヴズ・ユー" (マラソン大会の場面でオルガンで演奏されている)
■ザ・ビートルズ「マジカル・ミステリー・ツアー」未公開映像が解禁! 2012年10月4日
1967年にザ・ビートルズが製作・脚本・監督・出演した「マジカル・ミステリー・ツアー」のこれまで未公開だった映像が、イギリスのウェブサイト「The Space」で配信されている。
このたびお披露目された動画は、メンバーが黄色いバスに乗ってフィッシュ・アンド・チップスの店を訪れるというもの。若かりし頃の4人の姿や、撮影中の風景が約5分にわたって映し出される。
「マジカル・ミステリー・ツアー」は67年に英BBCで放送されたテレビ映画で、日本では77年に公開された。海へ向かう日帰りバスツアーの様子がファンタジックに描かれている。今年はザ・ビートルズの1枚目シングル「ラヴ・ミー・ドゥ」がリリースされてからちょうど50年の節目にあたり、それを記念して同局はドキュメンタリー番組「アリーナ:マジカル・ミステリー・ツアー リビジテッド」を製作した。
「アリーナ」の編集をしたアンソニー・ウォールは、「当時のザ・ビートルズの素晴らしい世界観を完璧にとらえた映像です。バスツアーのみんなと楽しく過ごしたり、食事を分け合ったりする光景から、アバンギャルドな作品が生み出されたのです」と語っている。
日本では10月5日の一夜限定で、全国10カ所の映画館で「マジカル・ミステリー・ツアー」デジタルリマスター版を上映。DVDとブルーレイが10月10日に発売されることも決定している。また、10月15日午前1時35分からフジテレビにて「マジカル・ミステリー・ツアー」と「アリーナ:マジカル・ミステリー・ツアー リビジテッド」が放映される。
この商品は送料無料です。 ビートルズ/マジカル・ミステリー・ツアー デラックス・エディ...
価格:19,800円(税込、送料別)
CHAGE&ASKAの「ある晴れた金曜日の朝」は「マジカルミステリーツアー」などの中期のビートルズサウンドを思い起こさせるいいメロディーです。さっぱりとビートルズサウンドを再現しているといえるでしょう。
≪ライナーノーツ≫
ビートルズは5人だった………。という物語的な歌です。自分が死んで生まれ変わったらビートルズになっていた、という………。時間の経過もない、時代感覚も事実関係も壊しているという、すべての枠を取っ払ったところで詞を書いてみたかった。ただそこには自分とビートルズという素材だけ。全編を通して、楽しみながら書き上げました。(ASKA) −1995年TUG OF C&A会報7月号より−