韓国を代表する大手電機メーカー「サムスン電子」は、スマートフォンの売り上げが好調だったことなどから、去年1年間の売り上げが前の年に比べて22%増えて、日本円で17兆円に上り、売り上げ、営業利益ともに過去最高を記録しました。
サムスン電子が25日に発表した去年1年間の決算によりますと、売り上げは前の年に比べ22%増えて、およそ201兆ウォン(日本円で17兆円)に上りました。また、営業利益も前の年より86%増えておよそ29兆ウォン(日本円で2兆4000億円)と、いずれも過去最高となりました。このうち情報通信部門は、スマートフォンやタブレット端末の「ギャラクシー」シリーズの新しい機種を次々と発売して中国など新興国市場での売り上げを大幅に伸ばし、利益全体の半分以上を占めています。
一方で、サムスン電子は、去年後半から通貨ウォンの値上がりが続き、為替の変動による損失はことし1年間で2500億円に上る可能性があると分析しており、付加価値の高い製品の開発を積極的に進めて競争力をさらに高めていくとしています。
また、韓国国内では、一部の大企業に利益が集中し経済格差が拡大しているとの不満が高まっており、サムスン電子としては、投資や雇用を通じた国内経済への貢献にも神経を使うことになりそうです。
韓国のサムスン電子が25日発表した2012年10〜12月期連結決算は営業利益が8兆8400億ウォン(約7500億円)となり、前年同期比89%増えた。スマートフォン(スマホ)が収益源となったほか、半導体、ディスプレー、家電の全部門が前年同期比で増益。ウォン安の修正による業績への悪影響を販売拡大とコスト削減で吸収した。
売上高は同19%増の56兆600億ウォン。売上高、営業利益ともに四半期ベースの過去最高を更新した。
携帯電話やパソコンを扱うIT機器部門は営業利益が同2.1倍の5兆4400億ウォン。スマホは旗艦モデルの「ギャラクシーS3」から低価格機まで幅広く販売し、業績をけん引した。
半導体部門の営業利益は8%増の1兆4200億ウォン。DRAMやNAND型フラッシュメモリーで高付加価値品の販売を伸ばした。ディスプレー部門は7.9倍の1兆1100億ウォン。薄型テレビや白物家電の部門営業利益は7400億ウォンで37%増えた。
12年12月期通期の連結決算は営業利益が前の期比86%増の29兆500億ウォン。日本円換算では約2兆4500億円とトヨタ自動車の過去最高益(08年3月期の連結営業利益が2兆2703億円)と肩を並べる水準。売上高は201兆1000億ウォンで同22%増えた。